★PPRF, MLFの機能を理解する。
■側方注視の神経調節
・大脳の前頭葉:前頭眼野、補足眼野
⇒放線冠
⇒半卵円中心(脳梁)
⇒脳幹上部で交差
⇒橋の被蓋:PPRF(傍正中橋網様体)
…ここが側方注視中枢
⇒外転神経核:2つ神経が出る
⇒①同側の外転神経:PPRFと同側の外直筋を支配
②すぐ交差
⇒MLF(内側縦束)を形成し、脳幹の正中部を上行
⇒中脳:動眼神経核の腹側
⇒対側の外転神経:PPRFと対側の内直筋を支配
⇒大脳と逆、PPRFと同じ方向への注視
■側方注視障害
●前頭葉の障害
⇒病変と対側への注視障害
⇒この状態で意識障害が起きると、病変側へ眼球共同偏倚
※意識障害が起きないと正中位を保つのは、視覚刺激によるか。
●橋の被蓋の障害
=PPRFの障害
⇒病変と反対側への共同偏倚(意識障害なくても)
※MLFの障害も起きた場合
⇒病変側のMLFを介して、病変側の眼球内転が障害
⇒基本的に反対側へ共同偏倚するが、病変側の眼球はやや正中に寄る
●MLFのみの障害
・上記の通り、同側の眼球内転のみ障害
=対側の眼球外転は可能
=核間性眼筋麻痺
⇒外転側に向かって速い相をもつ、側方注視眼振がみられる
※MLFは脳幹の被蓋正中を通るので、MLF障害である核間性眼筋麻痺は脳管障害を意味する
⇒臨床的に重要
■垂直注視障害
・垂直注視の中枢:中脳上部の動眼神経核近く
…MLFの吻側介在核+カハールの介在核
※上方、下方視の区別は明らかでない
●Parinaud症候群
・中脳四丘体障害
⇒垂直注視麻痺+輻輳麻痺(+内直筋麻痺)
※輻輳:中脳の動眼神経核の近く、ペルリア核が中枢
⇒動眼神経と同時に障害されることが多い
参照 神経診断学を学ぶ人のために、UpToDate