★詳細は不明だが、利尿作用↑にGFR↑が必要だと考えられている。
ANPに関しては新薬開発が進んでいます。
ハンプはANPそのもので、利尿作用が「生理的だ」とよく言われます。
これはなぜなのか。解説します。
■ハンプ(ANP)の作用
①血管拡張
これにより血圧が下がる。
②Na利尿作用
●基本的にNa、水を排泄する方向へ作用する
・髄質の集合管においてNa再吸収を阻害
・近位尿細管でのNa再吸収を阻害
…尿細管の静水圧↑、局所でのドパミン放出による
まず集合管に作用;ここでのNa排泄は軽度
⇒血管内水分量↑によりGFR↑が進むと、近位尿細管にも作用
※ANPによるNa排泄は、GFR↑が必要
…心不全への対応ということ。この点において、利尿が生理的といえる。
※ANPの血管拡張作用によりGFR↑となるが、腎血流量はほぼ変わらない
…輸入細動脈拡張+輸出細動脈収縮となっているかも
③その他
レニン放出↓、アルドステロン分泌↓、アンギオテンシンⅡによるNa再吸収とアルドステロン分泌↓、集合管のADHへの反応↓など
⇒volume↑によるRAAS系↓は、一部ANPによっているということ。
■生理的意義
「血圧↓による利尿低下 vs. Na利尿による利尿↑」がバランスされる
・腎動脈圧↓によりANPによる利尿作用がかなり悪くなる
cf. ラシックスはほとんど影響を受けない
・心不全や肝硬変だとANP高いが、腎動脈圧が低いとNa利尿作用は低い
⇒ANPは血圧を下げるが、腎動脈圧が下がるとNa排泄作用は悪くなる
⇒生理的意義はよくわかっていない
※但し、これにより利尿が生理的となっている
・しかし、ANPの作用は全体からすれば小さい
…血圧変動の方が作用が大きい
参照 UpToDate, Guyton生理学(最高の生理学教科書)