放射線・検査

どういった患者に緊急カテをすべきか

★ACSが疑われる場合で、緊急と準緊急に分ける。
※ACS=STEMI or NSTEMI or UAP
 ⇒定義:NSTEMIと不安定狭心症の違い

■実地での適応
●緊急 (immediate)カテーテル

・STEMI
・血行動態が破綻している時
・左心不全を来した時
・強力な内科治療をしても、安静 or 持続性狭心痛が生じる場合
・MI合併症を来している場合;MR、VSDなど
・持続性VTを来した場合
・ダイナミックなST-T変化がある場合

●準緊急 (early)カテーテル;24〜48時間以内
⇒上に当てはまらない上での話
・CABG後、若しくは最近6ヶ月以内にPCI施行した
・新規と考えられるST低下
・トロポニン上昇(=NSTEMI)
・強力な内科治療をしても、軽度労作で狭心痛が持続する場合
・EF<40%
・TIMIリスクスコア>2 or GRACEリスクスコア>108
 …参照:

※NSTEMI、UAにいつカテーテルをすべきかは色々研究されている
⇒少なくとも60時間以内にした方が良いのは間違いない
⇒しかし早ければ早い方が良いので、可能なら4-24時間以内にすべき
 (特にTIMIリスクスコア>4 or GRACEリスクスコア>140の場合)

■AHAガイドライン
●STEMI

Class 1

緊急カテ:primary PCIの良い適応

緊急カテ:重症心不全 or 心原性ショックで、血行再建適応あり

Class 2a

緊急カテ:中等度以上の範囲の心筋に障害が起きるリスクが高い

Class 2b

待機的カテ:発症後24時間以内に心カテが行われなかった患者

Class 3

血行再建:リスクがベネフィットより高い、侵襲的処置を希望しない患者

●UA/ NSTEMI

Class 1

準緊急カテ:薬剤抵抗性 or 血行動態不安定な、重篤な基礎疾患/禁忌がない患者

準緊急カテ:状態落ち着いたがリスクの高い、重篤な基礎疾患/禁忌がない患者

血行再建法:SIHDと同様に、PCICABGか適応を判断すべき

Class 3

準緊急カテ:重篤な基礎疾患(肝不全、肺不全、癌など)があり、かつ以下の場合

 ・血行再建によるリスクがベネフィットより大きい

 ・胸痛はあるがACSである可能性が低い

 ・同意が得られない

※用語
●エビデンスレベル
Class1:その治療をすべき
Class2a:その治療をするのは合理的
Class2b:その治療を考えてよい
Class3:その治療をすべきでない

●略語

SIHD(stable ischemic heart disease):安定している虚血性心疾患
STEMI:ST上昇型心筋梗塞
UAP:不安定狭心症

参照 UpToDate, Braunwald, ACCF/AHA/SCAI Practice Guideline 2011

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