★敗血症誘発性胆汁うっ滞.
■臨床像
・敗血症患者で直接ビリルビン優位のビリルビン上昇を認める
…特にGram陰性桿菌
・ALP,γGTP,AST,ALTはそれほど上がらない
・T-Bilの値が死亡率の指標となる
⇒T-Bilが上昇し続ける場合,感染巣・抗菌薬の見直しが必要
⇒敗血症が治癒すると,T-Bilも低下する
・肝不全により死亡することはほとんどなく,MOFが死亡の原因となる
⇒ウルソは胆汁排泄を促進するが,死亡率改善には結びつかない
(敗血症の治療が最も重要)
■病理
・肝内胆管の胆汁うっ滞
・クッパー細胞肥大,門脈への単球浸潤…
■病態
・GNRのLPSを介した炎症
⇒TNF-α,IL-6,IL-1↑
⇒類洞の炎症,門脈の炎症
…①胆汁酸輸送体の活動性↓,関連遺伝子の翻訳↓
②単球,クッパー細胞で接着因子の発現↑
⇒門脈周囲の炎症↑
など
※要は炎症による
参照 Clin Liver Dis 8 (2004) 83-94