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Brugada症候群とBrugada型心電図の違いは?リスクをどう評価する?

★典型的症状があれば診断、無い場合はcoved型を確認し、加算平均心電図やEPS、家族歴等でリスクを評価する。

◎Brugadaっぽい!心電図はよくみます。全例にICD植え込みを検討しますか?そんなことはありません。診断が大事です。ここではBrugada症候群の診断をレビューします。


■Brugada型心電図

1型coved型
 2mm以上のST上昇▶︎陰性T波
2型saddleback型
 2mm以上のST上昇+二峰性T波
肋間を上げると感度が増えます
⇒肋間上の誘導でのみBrugadaが認めても、通常誘導でBrugadaが認められる人と死亡率は同様との報告有り。
!肋間を上げる事はスクリーニングに必要ということです。

★covedとは、「入り江の」という意味です。
 入り江とは、海岸や湖の一部が陸側にえぐるように入り込んでできた地形のことです。


⇒海側からみれば、coved型のST上昇にみえなくもない。

★saddlebackは自転車のサドルです。

■Brugada症候群
●2013年のexpert consensusでは以下の2つが確定診断に必要です。
・典型的症状
 …心停止、心室不整脈による失神、夜間の瀕死呼吸
・1誘導以上でcoved型のST上昇
 …一過性でも、薬物(サンリズム)負荷で誘発されたものでもOK

症状が無い場合は確定診断とはなりませんが、以下が診断の参考となります。
・1度房室ブロック、左軸偏位
・心房細動
・加算平均心電図でのlate potential
・fragmented QRS comples;QRSに切り込みがあるもの
・左脚ブロック型のPVC
・器質的な心疾患がないこと
・EPSにて心室不応期<200msec かつHV間隔>60msec

■Brugadaの精査・心室不整脈リスク層別化
●症状ある場合

・まず器質的心疾患をエコーやシンチなどで除外します
⇒①coved型の場合、Brugada症候群の診断。ICDなどの対応
 ②saddleback型の場合、薬物負荷で精査
※上の診断基準のとおりです。

●症状ない場合
1親等以内(特に45歳未満)に、突然死原因不明の失神coved型心電図がないか確認
⇒あれば大きなリスクとなります。

薬物負荷は、場合によります
…coved型の場合は適応なし
 saddleback型かつ上記の家族歴ある場合は、施行してよい
※具体的には、サンリズム1A+生食50mlを10-30分くらいで投与するだけです。経過の心電図変化をみます。covedへ変化する場合、リスクとなります。
⇒coved型へ変化するかを確認するのです。

EPS(VT/Vf誘発)はcontroversialです
 …誘発された群は、心室不整脈のリスクが高いのは間違えなさそうです
 ⇒しかし、誘発された事でICDの適応を判断するのかは微妙な所です

④その他
加算平均心電図でLP陽性は、リスクとなります。
SCN5Aの遺伝子変異は調べるべきです
 ⇒但し解釈は難しい場合も多く、専門家がすべきです

※まとめると、
・症状+心電図⇒確定
・心電図(coved型)のみ⇒状況による。色んな検査をする。
・心電図(saddleback型)のみ⇒リスク低い。家族歴あれば薬剤負荷を検討する。
ということになります。

参照 UpToDate

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