★細菌感染といえば胆管炎で、門脈系から侵入する。
■胆嚢炎
●動物実験において、胆管閉鎖だけでは炎症生じない
=炎症誘発する物質が必要
⇒実験では、カテーテールにより胆嚢粘膜障害することで炎症が生じる
or ライソレシチン加えることでも炎症生じる
⇒ライソレシチンが必要と考えられている
●レシチン:胆汁の構成要素
⇒胆嚢粘膜にあるホスホリパーゼAにより触媒
⇒ライソレシチンとなる
※胆嚢嵌頓による粘膜障害で、これらの反応が惹起される
⇒炎症↑
⇒プロスタグランジン(特にE2)↑
⇒胆嚢収縮・胆嚢内液体貯留↑
⇒胆嚢炎増悪
●感染も炎症増悪に関与する
⇒しかし22〜46%が培養陰性であったという報告あり
=感染は必須でない
■胆管炎
●胆管閉鎖+感染⇒胆管炎
…どこから菌が侵入するか?
⇒主に門脈で、十二指腸からは少量
●防御メカニズム
・Oddi括約筋:十二指腸からの逆流を防止している
・胆汁の流れ
・胆管粘膜から産生されるIgA
・クッパー細胞
●病態
①胆管閉鎖
⇒胆道内圧力↑
⇒胆管透過性↑
⇒門脈循環から細菌・トキシンが胆管内へ移行
※また、圧力↑より体循環への移行も促進=菌血症となりやすい
②胆石嵌頓
⇒胆石が感染巣となりうる
⇒Oddi括約筋を乗り越え、十二指腸から胆管へ、少量ながら細菌が侵入する
※エンテロバクターなどは、線毛により胆石へ付着しやすい
参照 UpToDate