★期待できる患者は多いが、医療者の負担は大きい。
■VBAC:vaginal birth after C-section
・多くの患者で可能
…VBAC試みることをTOLAC:trial of labor after cesarean という
・施設や担当者によって成功率がかなり異なる
(大学病院の方が成功率が高い、という報告もあり)
・選択に関して説明する内容がかなり複雑で、現状ではムンテラの仕方で決まる状況が多い
⇒無事分娩できる確率を計算するツールなど出てきている
(臨床現場では有用性低い)
●VBACで良い分娩率が見込まれる患者
①一度以上経膣分娩したことがある+他の病気がない
②40週以前に有効な陣痛あり
…自然な発来が良い
③児の大きさが正常
…特に4000g以下
④以前帝王切開となった理由が、今回起きなさそうな場合(児の胎位異常など)
⑤以前の帝王切開で、子宮を低位横切開した
●VBACを選択すべきでない患者
①リスクの高い子宮切開;T字やJ字切開
②子宮離開、子宮破裂の既往
③通常経膣分娩を避けるべき状況;前置胎盤など
④施設、医療資源が十分でない時
■帝王切開後妊娠において、経膣分娩トライ(TOLAC) vs 帝王切開(ERCD;elective repeat cesarean delivery)のリスク比較
|
|
TOLAC |
ERCD |
母体 |
死亡 |
0.00% |
0.01% |
子宮破裂 |
0.47% |
0.03% |
|
子宮摘出 |
0.17% |
0.28% |
|
出血 |
不明 |
||
輸血 |
0.90% |
1.20% |
|
感染 |
4.60% |
3.20% |
|
児 |
死亡 |
0.13% |
0.05% |
低酸素脳症 |
0.05% |
0.00% |
|
敗血症疑い |
5% |
2% |
・児のICU入室率、Apgar score(5分値)には差を認めない
※不完全な研究も多く、数字自体は参考程度。
参照 UpToDate
更新 2014/9/24