産婦人科・小児

子癇前症の位置づけ、病態

★妊娠高血圧症候群の一型で、胎盤血流減少と全身の内皮障害で説明される。

■妊娠高血圧症候群

子癇前症
妊娠20週以降、初発の高血圧+蛋白尿 or 臓器障害
※蛋白尿は必須でない
・子癇は、子癇前症の患者に全般性痙攣が合併した状態
・HELLP症候群は、子癇前症の重症型とも考えられる(議論されている)

②もともと高血圧
・妊娠20週以前より認める高血圧

③もともとの高血圧に子癇前症を合併
・蛋白尿 or 臓器障害の合併か、高血圧コントロールの悪化で判断

④妊娠高血圧
・20週移行に初発する高血圧
・妊娠一過性の高血圧


■子癇前症の経過

妊娠経過中は必ず悪化する
胎盤娩出後(児ではない)、必ず改善する
⇒頭痛が数時間続いたり、蛋白尿が数ヶ月続くことはある
…高血圧は3週で改善していく:最初の2週は、サードスペースから水が戻ることで増悪しうる
※つまり、病態の維持に胎盤が必須、ということ。


■病態
★不明→胎盤血流↓→サイトカインなど→母体の血管内皮障害→様々な臓器障害

らせん動脈形成不全が重要
…通常、栄養膜細胞が子宮筋細胞を浸潤、らせん動脈と子宮動脈がつながり、胎盤と胎児を栄養する
⇒何らかの原因で、栄養膜細胞が子宮筋細胞を浸潤しない
 =深い胎盤形成がされない
※この原因は不明。低酸素や遺伝など考えられている
胎盤血流↓

内皮障害で全て説明される
高血圧血管のトーンのコントロールがつかなくなるため
蛋白尿、浮腫血管透過性亢進による
・凝固傾向:内皮の蛋白発現異常による
・頭痛、けいれん、下腹部痛、胎児発育異常:脳、肝臓、胎盤の血流↓による
※内皮障害の原因は、胎盤よりsFlt-1(VEGFのantagonist)が放出されることが重要。他にも色々なサイトカインが関係する。

参照 UpToDate

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