★肺炎 vs. 気管支炎≒上気道炎。
■臨床像
①上気道炎:感冒症状…鼻水、咳、咽頭痛の内2種類以上ある事が多い
②気管支炎:5日以上長引く咳。3週間程度持続する。50%に痰あり。発熱はまれ
⇒①と②は区別する意義ほぼなし
③肺炎:発熱、喀痰を伴う
■細菌、治療
①上気道炎
・ライノが50%、他:コロナ、アデノ、エンテロ、パラインフルなど
②気管支炎
・ほぼウイルス。インフルエンザウイルスもあり得るので、ここだけ注意(治療薬があるから)。
⇒基本的には対症療法
・百日咳で、発症後1週間以内だと治療適応
・マイコプラズマ、クラミジアは起こしうるが、治療適応とならない
③肺炎
・基本的に抗菌薬が必要
・但し起因菌はいろいろ;インフル、アデノ、パラインフル、RS、huma metapneumovirusなど、抗菌薬が必要ないものもあることに注意
■検査、診断
●胸部レントゲン
・何かあれば、基本的には肺炎
⇒肺炎が疑われたときのみ、オーダーする
※気管支炎で下肺野の気管支壁肥厚がある、とする報告もあるが、基本的には変化なし
●プロカルシトニン
・WBC、CRPよりも特異的な細菌感染のマーカー
…炎症で上昇する+ウイルス感染で放出されるIFNγで上昇が抑えられるため
・抗菌薬使用を考えた時、オーダーする
⇒0.25未満では推奨されない、0.25以上で推奨される、0.5以上で強く推奨される
■胸部Xpでうつらない肺炎の判断
●浸潤影の有無のみで、抗菌薬必要性は判断しきれない!
⇒レントゲンではっきりしない理由
・脱水が強い、浸潤影が小さい、側面像でしかわからない、肺に基礎疾患がある
●肺炎を疑う病歴
①突然の悪寒を伴う発熱
②上気道炎症状が先行し、その後②を認める(二峰性)
③高齢者の、びっしょりするくらいの寝汗
④胸膜痛(肺炎球菌を疑う)
参照 UpToDate、内科外来マニュアル