呼吸器 感染

市中肺炎の入院判断と、外来での治療

★日本ではA-DROP、抗菌薬はマクロライド/キノロン/βラクタム。

■入院判断

Pneumonia severity index(PSI) 



 

背景

合併症

男性年齢

女性年齢

介護施設

肝疾患

心不全

脳血管

点数

年齢

年齢−10

10

30

20

10

10

10

身体所見

意識レベル低下

呼吸数>30

sBP<90

BT<35 or >40

HR>125

点数

20

20

20

15

10

検査所見

pH<7.35

BUN>30

Na<130

血糖>250

Ht<30

PaO2<60

Xpで胸水

点数

30

20

20

10

10

10

10


⇒Class 2(<70), 3(71〜90), 4(91〜130), 5(>131)
・Classは死亡率と相関
Class 3から入院が勧められ、Class 4,5は入院が必須
・日本は寿命が長いため、過大評価される(元はドイツ)

CURB-65
Confusion(混乱ある), Urea(BUN>20), RR(呼吸数>30), BP(sBP<90 or dBP<60), Age>65
2点以上で入院が必要
・これも過大評価される(元はイギリス)

CRB-65
・血液検査の必要をなくした
1点以上で入院を検討

A-DROP
Age(男>70, 女>75), Dehydration(BUN>21 or あきらかな脱水), Respiration(SpO2<90 or PaO2<60), disOrientation(意識障害), low blood Pressure(sBP<90)
・日本版であり、血液検査も必要ない
1-2点で入院が勧められ、3点以上で入院が必要


■抗菌薬

●Gram染色可能なら必ずやり、結果に基づいて抗菌薬選択すべき。ここではGram染色施行できない場合
・まず、高頻度の原因は
 …S. pneumoniae, Mycoplasma pneumoniae, Chlamydophilia pneumoniae, ウイルス
①マクロライド耐性肺炎球菌が疑われない場合
マクロライド(アジスロマイシン、クラリスロマイシン)、ドキシサイクリン
②マクロライド耐性肺炎球菌のリスクがある場合
キノロン系(レボフロキサシン、ゲミフロキサシン)
 もしくはβラクタム(アモキシシリンなど)+マクロライド
(UpToDate方式)
※定型、非定型と分ける事も多いが、これらは非定型だけでなく定型もカバーする(事が多い)。

※実際はもっとバリエーションある。

・定型肺炎を疑えば、アモキシシリン(サワシリン)+アモキシシリン+クラブラン酸(オーグメンチン)。オーグメンチンのみではアモキシシリンの量が少ない。
・インフルエンザ桿菌、モラクセラが疑われれば、セフォチアム(パンスポリン
・BLNARが疑われれば、クラビットやミノマイシンなど。

・普通、すぐ症状改善する
 ⇒48〜72時間経っても症状改善が見られない場合、考え直す必要あり
解熱して48〜72時間以上たち、状態安定するまでは、抗菌薬投与を継続する

参照 UpToDate, 成人市中肺炎診療ガイドライン、内科外来マニュアル

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