感染 腎・泌尿器

単純性膀胱炎の診断に、尿検査はどれくらい有用か?

★症状が典型的なら、ほぼ必要ない。

■診断

若年女性で下部尿路症状:排尿障害、頻尿、尿意切迫、下腹部痛、血尿
⇒これだけで50%膀胱炎
 …検査の必要あり
生殖器の症状なければ90%膀胱炎
 …検査の必要なし

・65歳以上の場合、下部尿路症状自体は非特異的
⇒発熱、1週間以内発症の排尿障害/頻尿/尿意切迫、多量の血尿、CVA巧打痛、意識障害などで疑う
⇒もちろん検査の必要あり


■診断の補助検査

※当たり前だが、症状から膀胱炎の可能性が微妙にある時に施行する
 …「絶対膀胱炎!」という時にやっても、陰性の場合否定できないから
●尿検査
尿中白血球は非常に感度が高い
⇒なければ、結石の嵌頓か、他の診断を考える
血尿は診断を指示する
尿道炎や膣炎では生じないため

●試験紙

白血球エラスターゼ:陽性なら白血球>10/hpfを示唆する(感度75-96%、特異度95%程度)
亜硝酸塩:陽性なら>10^5CFUの腸内細菌を示唆する
 …但し感度はそこまで高くない 参照:「どちらか陽性になる」はUTIに対して感度75%、特異度82%

●尿培養

・起因菌はほぼ大腸菌(75-95%)であり、ルーチンでとる必要は無い
⇒但し耐性菌が出回っている事を考え、以下の場合施行するとよい
 ・症状が非典型の場合
 ・抗菌薬投与後3ヶ月以内に再発した場合
 ・感染の複雑化が考えられた時

※膀胱炎の起因菌:大腸菌、プロテウス、腸球菌、クレブシエラ、S. saprophyticus


■鑑別診断

・膣炎:トリコモナス、真菌、細菌など様々
・尿道炎:クラミジア、淋菌、トリコモナス、HSVなど
・PID
・腎結石
・膀胱痛症候群:下部尿路症状があるが、他の疾患が除外された場合

参照 UpToDate 

-感染, 腎・泌尿器