ICU・集中管理

IABPで収縮期に後負荷が減る理由 ★IABPの原理

★バルーンの体積分の血流の動き。

◎IABP(intraaortic balloon pumping=大動脈内バルーンパンピング)とは、下行大動脈に大きなバルーンを留置し、拡張期に膨らませ,収縮期にしぼませる方法です。
重要な事は、表示されるIABP先端圧は、拡張気圧/収縮気圧 となっていることです。

■収縮期に後負荷が減る機序

●拡張期は大動脈内の圧が高い
⇒バルーンを、収縮期のちょっと前に急速にしぼませる
⇒大動脈内の圧が急速に減る
⇒血液が末梢へ流れやすくなる
  =心臓への後負荷は減る

■拡張期に冠動脈血流が増える機序

●拡張期のちょっと前に膨らませる
バルーンの体積分の血流が余る
⇒余った血流が逆流=大動脈弓へ(★)
⇒冠動脈,内頚動脈血流↑

※冠動脈は拡張期に血流が流れます。
 …収縮期には心臓が押しつぶされるため,血流が流れないのです

●ARでは,★のため,逆流が増える⇒禁忌です。

参照 UpToDate

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