■作用機序
・アンチトロンビン(ATⅢ)と複合体形成
⇒活性化
⇒トロンビンとⅩa不活性化↑
⇒凝固系↓
・少量の場合,Ⅸ,Ⅺ,Ⅻに対して強く作用
⇒APTTでモニタリング
cf.)ワーファリンはPTでモニタリング
※抗Ⅹa/トロンビン比⇒少ない程,血小板への影響が大きい
⇒出血の副作用多い
■ヘパリン類の種類
①未分画ヘパリン(ヘパリン®)
特徴
・安い
・抗Ⅹa:トロンビン=1:1
・プロタミンにより直ちに拮抗される
※プロタミン:ヘパリンと結合,安定化する
適応
DIC,血栓予防,体外循環
用法
・半減期0.5h~1h
⇒持続点滴:600単位/hでオッケー.
・急ぐとき(DVT→PEや新規のAF)は,3000-5000単位のボーラス投与
※ヘパリン誘発性血小板減少症に注意する
②低分子ヘパリン LMWヘパリン;low molecular weight
ダルテバリン(フラグミン®),エノキサパリン(クレキサン®)
特徴
・ヘパリンより良い
・抗Ⅹa:トロンビン=2~5:1
適応
・フラグミン:DIC,体外循環
・クレキサン:DVT予防
用法
・半減期2~4時間
⇒フラグミン:75単位/kg/h持続点滴(DIC)
クレキサン:2000単位皮下注(DVT予防)
③ダナパロイド(オルガラン®)
特徴
・抗Ⅹa:トロンビン=22:1
適応
DIC
用法
・半減期20時間⇒1250単位を2回/dayで静注
⇒24時間拘束しなくてよい
④フォンダバリヌクス(アリクストラ®)
特徴
・抗Ⅹa:トロンビン=7400:1
・プロタミンにより拮抗されない
適応
術後静脈血栓塞栓症予防
用法
・半減期17時間⇒1.5~2.5mgを一回皮下注
参照 金沢大学HP,UpToDate