感染 薬剤

セフェム系(セファロスポリン)の使い方

★全てのセフェム系は腸球菌に無効!

①第一世代
   セファゾリン(セファメジンα®,CEZ):静注
 セファレキシン(ケフレックス®):経口
特徴
組織移行性めっちゃいい=狙った所に行く!
⇒但し,髄液のみ移行性悪い
髄膜炎には使えない.
・経口⇒バイオアベイラビリティー高い
    =投与量のほとんどが腸管から吸収される
適応菌
■GPC
黄色ブドウ球菌(MSSA):効く
連鎖球菌:効く
※肺炎球菌,腸球菌,リステリアには効かない!
■GNR
感受性あれば効くが,あまり使わない
適応病態
●軟部組織感染症;顔面は除く
           ⇒インフルエンザ桿菌などGNRが原因となりうるため
●化膿性関節炎など

②第二世代
  セフォチアム(パセトクール®,パンスポリン®,CTM):静注
  第三世代
  セフトリアキソン(セフトリアキソン®,ロセフィン®,CTRX):静注,肝排泄
  セフォタキシム(セフォタックス®,CTX):静注,腎排泄
特徴
・GNRをよりカバーしている
・組織移行性良い;髄液移行性も良い
適応菌
■GPC
・ほとんどの連鎖球菌,肺炎球菌,MSSA(中等度)
■GNR
・全ての腸内細菌群,サルモネラ,シゲラなど
・他,大腸菌,エンテロバクター,クレブシエラ,プロテウスなど(耐性なければ)
※セラチア,サルモネラ,淋菌には効かない!
適応病態
肺炎+尿路感染をだいたいカバーできる

③第二世代(セファマイシン)
  セフメタゾール(セフメタゾール®,CMZ):静注
特徴
嫌気性菌をカバーする!
適応菌
■GNR
・ほとんどカバーする
⇒大腸菌,プロテウス,クレブシエラなどに最適
■嫌気性菌
・だいたいカバーする

④第三世代
  セフタジジム(モダシン®,CAZ):静注
  第四世代
  セフェピム(マキシビーム®,CFPM):静注
特徴
緑膿菌をカバーする!
・セフタジジム⇒GPCには効かない
・セフェピム⇒GPCに効く
適応病態
好中球減少時の発熱;緑膿菌をカバーしなくてはならない(死亡率高い)
             ⇒GPCはそんなに急変しない
             ⇒とりあえず緑膿菌カバーすればよく,セフタジジムでよいかも.

⑤第三世代
  セフォペラゾン/ スルバクタム(スルペラゾン®,CPZ/SBT):静注
特徴
超広域.
※セフォペラゾン:胆道移行性良い
⇒但し,スルバクタムは腎排泄
⇒腎不全の時,バランス悪くなるため使いにくい
+胆道閉塞の時,排泄されにくくなるので,逆に使いにくい
適応菌
・腸内細菌
・緑膿菌
・アシネトバクター(スルバクタムの効果)
・腸球菌にも効果あるかも
適応病態
胆管炎…但し,ERCPで大体治ってしまい,抗菌薬は何でもあんまり変わらないかも
     ⇒嫌気性菌カバーする,セフメタゾールやアンピシリン/ スルバクタムでも良い

参照 抗菌薬の考え方,使い方 感染症まるごとこの一冊

 

-感染, 薬剤