★硝子円柱が鋳型になる!
■機序
・尿の停滞+Alb↑,pH↓,尿浸透圧↑,尿流圧↓
⇒主に遠位尿細管,集合管において,
尿細管内腔を鋳型とし,
尿細管上皮から分泌されるTamm-Horsfallムコ蛋白と尿中血漿蛋白(主にAlb)がゲル化
⇒硝子円柱形成
※これに細胞封入,崩壊,変性が加わると各種円柱となる
⇒再疎通
⇒円柱が尿へ
■円柱の定義⇒機序,意味
①硝子円柱
・細胞2個以下,顆粒1/3以下の円柱
⇒各種円柱の鋳型.これのみでは病的意義なし
②上皮円柱
・上皮細胞3個以上
⇒上皮の落屑を意味する
⇒急性尿細管壊死,糸球体腎炎
③顆粒円柱
・顆粒1/3以上
⇒顆粒=円柱内細胞が変性したもの;ほとんどは上皮細胞
⇒②,腎不全
④赤血球円柱
・赤血球3個以上
⇒ネフロンのどこかに出血
⇒腎炎,IgA腎症など
⑤白血球円柱
・白血球3個以上
⇒炎症を意味する
⇒腎盂腎炎,間質性腎炎,膠原病性腎炎(ループスなど)
⑥脂肪円柱
・脂肪顆粒3個以上
⇒ネフローゼ
⑦蝋様円柱
・均質,蝋様の円柱
⇒尿細管腔の長期閉塞を意味する
⇒重篤な腎疾患
参照 UpToDate,尿沈渣検査法2000