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「測定された浸透圧」と「計算した浸透圧」が違う場合
2021/9/20
★浸透圧ギャップ。 ◎「浸透圧ギャップ」とは、測定されたものと計算したものの差。これは意味がある指標です。 ただ、多くの施設では浸透圧を「計算した浸透圧」は自分で計算しなければなりません。 よって臨床ではそんなに使う知識ではありません。国試用です。 ■浸透圧の値の出し方 ●計算して出す場合 2×N ...
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高カリウム血症の治療法、それぞれの作用機序
2019/8/2
★不整脈抑制+カリウム排泄。◎緊急治療を要する高K血症の対応方法まとめです。医師は必須知識です。 ■具体的な治療の流れ●心電図モニタリングをしつつ、以下の治療開始、1-2時間後にカリウム値再検。①10%グルコン酸カルシウム(カルチコール、Ca 13.6meq)・10mlを2-3分かけてiv、効果は3 ...
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Refeeding syndromeの病態と合併症
2019/1/7
★リンの欠乏が主体. ◎リンの重要性を感じましょう。■Refeeding syndromeの病態・絶食状態は、体内のリン(P)が欠乏しています・食事開始=グルコース摂取⇒インスリン分泌⇒①細胞内へP,K,Mgが移動 ⇒これにより電解質異常 ②細胞で足りていないATPなどを産生(Pを消費) ⇒更に ...
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ループ利尿薬でアンモニアが上昇する機序
2019/1/3
★低K血症による. ◎臨床では気にすることはほとんどないですが、肝性脳症をみたら思い出したいです。 体液異常と腎臓の病態生理 第3版 参考図書、名著です。 ■ループ利尿薬の機序・Na/K/Cl再吸収阻害⇒低K血症⇒H+が細胞内へ移動,K+が細胞外へ移動⇒細胞内アシドーシス(血管内はアルカローシス) ...
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高K血症でQT短縮、wide QRS、P波消失、VFが生じる機序
2018/10/29
★高カリウムにより遅延整流性カリウムチャネルが開くことが重要。◎電位の話は難しいですが、高K血症の変化を理解する事は、心電図変化や治療につながるので重要です。 ◎2018/10/28 重要な更新:■なぜ細胞外Kが高いと静止膜電位が上昇するか を追加。 ■一般的な心筋の活動①脱分極=収縮・(細胞内に) ...
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SIADHで尿量が変わらない理由
2018/5/28
★代償機構により、体内での水の分布の異常となる。 ◎SIADHは医学生にはなかなか理解しづらい疾患です(自分はそうでした)。ADHの異常産生という病態で、体内の他の代償機構は正常であることを理解すると当然です。 ■SIADHの病態●下垂体からADH(抗利尿ホルモン、バソプレシン)がですぎる⇒腎臓の集 ...
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低カルシウム血症によりテタニー、血圧低下を来す機序
2018/5/21
★心筋収縮力低下、神経の易刺激性が原因。 ◎テタニーはよくみますが、Ca低値により血圧低下を来す事は臨床上あまり経験ありません。 ■低血圧★心筋収縮力の低下によります。 ●一般的な心筋収縮の活動①脱分極=収縮・(細胞内に)Na流入(電位依存性Naチャネル)②プラトー・Ca流入(電位依存性Caチャネル ...
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ループ利尿薬で低カルシウム血症となる機序
2018/5/7
★ループ利尿薬はヘンレ上行脚に作用し、以降の尿細管作用を阻害する。◎あまり臨床で実感することは少ないですが、理論的にはこうなります。 ■ヘンレ上行脚の電解質輸送メカニズム●解剖(尿管輪切り)・尿細管内腔-膜(Na/K/2Clチャネル,Kチャネル)-細胞内-膜(3Na/2K ATPase,Clチャネル ...
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神経因性食思不振症による電解質とホルモンの変化について
2018/4/19
★低カリウム血症、GH高値、TSH高値を理解する。 ◎基本的にはどんな項目・検査値も低下する疾患ですが、フィードバックによりGHとTSHは高値となります。USMLEに頻出。 ■摂取不足●ものを食べない=塩もとらない⇒NaCl摂取↓=脱水(水分摂取が少ない事も寄与)⇒レニンーアンギオテンシンーアルドス ...
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低Mg血症で、低K,低Ca血症となる機序
2015/1/24
★K排泄増加、PTH作用↓のため。■低Mg⇒低K・細胞内Mg↓⇒ATP活動性↓⇒①Kチャネル(ROMK)が増える;ROMKはATPにより抑制されるため ⇒K排泄↑ ②アルドステロン↑ ⇒Na再吸収により管腔側がマイナス ⇒K排泄↑ ■低Mg⇒低Ca・低Mg⇒①PTH分泌↓ ②骨,腎へのPTH作用↓( ...