-
胃内容排泄遅延の病態は4種類だが、臨床からは少し遠い話
2015/1/27
★胃手術後、糖尿病、幽門肥厚、イレウス、機能性消化不良。■胃からの排泄はどのような機序か●3つのレベルで管理される①自律神経・副交感:迷走神経(主に背側運動核)⇒筋層間神経叢へ・交感:T5〜T10(中間外側核)⇒腹腔神経節⇒胃の平滑筋や幽門括約筋へ②消化管神経・自律神経と協調し、神経網を形成⇒腸の運 ...
-
GERDの治療;胸焼け症状があればPPI開始してしまうか?
2015/1/26
★重症だったらPPI開始。■アプローチ・診断補助としての胃カメラは勧められない;が、背景によっては施行しても良い⇒病歴と診察のみで診断して良いということ・ピロリ除菌は勧められない;GERD改善に効果ない・アプローチは2種類(UpToDate方式)⇒step upか、step down●症状が軽度、ま ...
-
胃もたれとは、医学的に「機能性消化不良」であることが多い
2015/1/25
★多くは、機能性消化不良。■胃もたれ・英語ではheavy stomach・医学用語では消化不良(dyspepsia)※「消化不良」は、はっきりとした定義がない⇒胃部不快感の総称として使われる。消化器症状全般を含み、胸焼けも含むこともある●胃もたれの鑑別疾患・ほとんどが機能性消化不良(function ...
-
感染性腸炎疑いの合併症無い成人:どう治療するか
2015/1/9
★抗菌薬使用は,便培養の結果を待ってからが良い. ■治療①水分補給・腸がだめのに水分補給が可能なのは、小腸のGlu-Naトランスポーターはやられないため⇒補充するのは水分だけではだめで、NaとGluが必要・WHO推奨の経口補液 (WHO-ORS)…1L水の中に、3.5g NaCl, 2.5g NaH ...
-
感染性腸炎疑いの合併症無い成人;何を考えるか
2015/1/8
★抗菌薬投与の必要がないウイルスと細菌が多いが、他を見落とさぬように。※外来で,急性下痢・腹痛を主訴とする,生来健康な患者について.■原因・軽症はウイルスが多い・重症は細菌が多い;4回/日以上の下痢が3日以上続いた患者の、87%は細菌性だった…サルモネラ,カンピロバクター,シゲラ,大腸菌(O-157 ...
-
NSAIDs服用するどの患者に潰瘍予防するか
2014/8/23
★危険因子を踏まえた患者選択が推奨される。■危険因子・65歳以上:1点・NSAIDs高用量:1点・胃潰瘍の既往(重症:2点、軽症:1点)・アスピリン、ステロイド、抗血小板薬内服中:1点⇒重度:2点以上、中等度:1点、軽度:0点 ○ガイドライン上、中等度リスク以上に予防的PPI内服が勧められる※しかし ...
-
胃管の選び方・入れ方
2014/7/8
★減圧する場合は太く。 ■意識清明な患者●減圧目的・14Frか16Frのセイラムサンプチューブが適切…セイラムサンプチューブは2つ穴があり、片方で吸引しても、もう片方が胃と大気を交通しているため、胃壁にくっつかない仕組みになっている※十二指腸まで入った時、セイラムサンプチューブは胃内まで引き抜く必要 ...
-
CD腸炎と偽膜性腸炎は違うか;CD感染症の診断
2014/5/29
★偽膜性腸炎は内視鏡診断。 ■Clostridium difficile(CD)感染症・CDは芽胞をもつ嫌気性菌で、経口感染する⇒発熱のみ~偽膜性腸炎まで、様々な病態を示す・抗菌薬関連下痢症(Antibiotics-Associated Diarrhea:AAD)の一種 ●CD感染症の病態 疫学 ...
-
上部消化管出血で便潜血陽性となるか
2014/5/28
★免疫法ではならない。 ■化学法・大腸癌に対する感度は30~40%程度・赤血球のヘムがもつペルオキシダーゼ様作用を検出⇒試験紙を用いて判定 ①オルトトリジン法 ・以前使われていた、感度の高い検査 ⇒肉、魚、緑黄色野菜、ミオグロビンでも陽性となる②グイヤック法 ・特異度の高い検査 ⇒オルトトリジン法の ...