救急・外傷

除細動とカルディオバージョンの違い、作用機序

★心臓の動きを止め,サイナスになるかは自動能に任せる!

除細動とカルディオバージョンの違いは、要は心電図同期するかしないか、にあります。

なおあまり臨床ではカルディオバージョンとは言いません。

作用機序=なぜ電気ショックで洞調律に戻せるか、も説明します。

除細動とカルディオバージョンの違い

除細動とカルディオバージョンの違い

除細動
・心室細動(VF)か無脈性心室頻拍(pulseless VT)にのみ用いる
⇒でかいショックを与え,心筋全部を一気に停止させる

カルディオバージョン
・VF,pulseless VT以外の頻脈性不整脈に用いる
⇒心拍と同期し,R on Tにならない時にショックを与える

頻脈を止める原理

細動(AF,VF)以外の頻脈の場合
・大きなリエントリーサイトが原因となっている
⇒電気ショックをすると、、
心筋細胞が脱分極する
⇒心筋組織が,刺激に不応となる
⇒リエントリーが成立しなくなる
⇒頻脈が止まる

AFとVFの場合
・一定の電気密度になると除細動されることは分かっている
⇒電力が足りていないか,電気が心臓全体に届いていないか(仮説).

※依然としてcontroversialである:persistent micro reentryが心筋全体で起こっているため

頻脈が止まった後は,洞結節の自動能に任せる!
・電気ショックが行うことは頻脈を止めることのみ
 =止まった後、洞結節が自然に洞調律を始めてくれることに期待する

電気ショック後、また変なところ(肺静脈口など)から刺激が出ると,不整脈が再発する.

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