救急・外傷

中心静脈穿刺ってどうやるの?注意点をまとめ!

最近では基本的にエコーガイド下での中心静脈穿刺が推奨されていますが、カテーテルアブレーション時など、ランドマークで穿刺せざるを得ない状況は多くあります。ここではそのコツと注意点をまとめました(自分の経験に基づいているので、かなり主観的です)。

まずはやっぱりこの本の紹介から始まる。

ねじ子のヒミツ手技 1st Lesson

 

 

内頚静脈

●基本的にCVの第一選択となります。
●穿刺のコツ
①動脈の外側にあるので、左より右が刺しやすいです。
顔を傾けると、動脈と静脈が離れます。
 ※傾けると動脈が触れづらくなる事があります。
  ⇒この時は、顔を正面に向く様戻し、動脈の位置を確認します。
③左手で軽く動脈をふれ、その外側縁から、同側の乳頭に向かって刺します。
 ※強く触れると、静脈がつぶれます。
 ※かなり立てて刺しても大丈夫です。寝かすと気胸になります
④刺す高さは、胸鎖乳突筋の分かれ目といいます。
 ※胸鎖乳突筋が分かりにくい人はいっぱいいます。
 ※気胸を危惧するあまり、あまり高くなりすぎないようにします。当たりません。
  ⇒気持ち尾側で穿刺するようにします。
⑤引く時に逆血がくるので、さす時は一気に、引く時はゆっくりとします。
⑥当たらなければ、しっかり引いて角度を変えて刺し直します。
 ※試験穿刺の23G針は体内でかなり曲がるので、しっかり引かないとreferenceになりません。
試験穿刺があたれば、それを保持し、平行に本穿刺針を刺します。
 ⇒角度が決まれば、試験穿刺を抜きます。
 ※本穿刺は深くなりがちなので、23Gの針以上深く入れないよう気をつけます。
 ※気胸になるのは本穿刺で肺を刺した時です。
⑧逆血が来たら、少し寝かせて、全体を少し押します。
 ※気持ち少し寝かすだけで、ワイヤーの入りやすさが全然違います。
 ※個人的にはセルジンガー針でなく、鉄針の方がスムーズな印象です。
⑨抵抗が無ければワイヤーを進めます。
 ※抵抗がある場合は、もう一度逆血を確認します。
  ⇒抜けていることが多いので、その場合は、その角度でそのまま押し、また引いてきます。
 ※どうやっても抵抗がある場合は、穿刺点を変えます。
⑩ワイヤーが進んだら、するする動かせることを確認します。
 ※ペースメーカーが入っている場合など、稀にワイヤーがスタックします。
  ⇒そのときは注意して全体を抜いてきます。
 ※ワイヤーを進めてPVCを確認できれば、なお良いです。
⑪ダイレーションをします。
 ※セルジンガー針を使っていれば、外筒でダイレーションできます。
⑫カテーテルを入れます。右内頚なら13-15cmくらい。
 ※レントゲンで気管分岐部に先端がくるくらいが調度良いとされます。
  ⇒穿刺前に計測しておくとよいです。
⑬逆血を確認します。
⑭固定します。
 ※糸は縦にかけると良いです。固定具の尻にもかけるべきです(計3箇所)
 ※カテーテル固定具が穿刺方向にテンションがかかるように糸をかけます。
  …穿刺部からの出血(=固定が緩い)が感染のリスクとなります。

 

 

鎖骨下静脈

固定がいいので、重宝します。特に下大静脈フィルター留置時など。
①鎖骨が少し曲がる所を確認します。
 ⇒曲がる所の外側より穿刺します。
左手の親指で皮膚を押し、なるべく鎖骨の走行と平行に針が進めるようにします。
左手親指の上から、鎖骨と平行に穿刺します。22Gのカテラン針で。
 ⇒まずは気持ち上向き(身体の前向き)に穿刺し、鎖骨に当てます。
 ⇒少しずつ下に向けていきます。
④これで当たらない場合は、穿刺点をやや身体の下向きに変え、鎖骨に当てる所から穿刺を同じように繰り返します。
⑤逆血がくれば、後は内頚静脈と同じです。
 …カテーテルは10-12cmくらいで固定します。

 

 

大腿静脈

●アブレーション時には4つくらいシースを入れます。させる位置の幅が広い。
上前胸骨棘と恥骨を確認します。
 ⇒これらをつないだ線は超えないようにします。
②安全なのは、この線から3横指下辺りで穿刺することです。
 ※あまりdistalすぎると、動静脈婁となることがあり、手術です。まあ大丈夫ですが。
③動脈の内側にあるので、動脈を軽くふれながら、そのすぐ隣を穿刺します。
結構深い人がいるので、あまり寝かせずに穿刺します。
⑤上と同じく、陰圧をかけて針を引いてきたときに逆血がくることが多いです。
 ⇒特に本穿刺で深くなりすぎないように気をつけます。
⑥あとは同じです。カテーテルは30-40cmくらい入れます。

 

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