★ACLSアルゴリズムではそうだが,実臨床では重症度に応じる.
■緊急カルディオバージョンの適応
①虚血症状・ECG
②臓器虚血の所見
③急性心不全の所見
④副伝導路があり,心室レートがかなり速くなる,と見込まれる
※他,重症と判断された時.
・常に塞栓のリスクを考慮にいれる
⇒発症後48時間以内の場合,リスクは低い(ゼロではない)
…抗凝固薬をするかどうか,コンセンサスはない(がやることが多い)
⇒ほとんどの患者は,緊急カルディオバージョンの適応とならない
⇒様子を見るか,薬物を用いる(下記参照)
※自然に消失:72時間以内のAfのうち68%
●カルディオバージョンの適応外
①全く症状がない
②80歳以上で色々な合併症ある
③サイナスに戻す事より,薬剤やカルディオバージョンのリスクが高い
④CHADS2 scoreが高い
■薬剤
○心室レートを下げる(110bpm以下)ことが重要
=レートコントロール
⇒サイナスに戻らなくても,症状消失することがある
①β遮断薬
②Ca拮抗薬(ベラパミル,ジルチアゼム)
・心不全ない場合に推奨
・この使い分けは医師と患者の好み,状況に応じる
⇒β遮断薬が有用:MI,労作性狭心症がある場合,心臓手術後
…レートを下げる作用が強い
Ca拮抗薬が有用:慢性肺疾患がある場合
③ジゴキシン:心不全によるAfと分かっているときのみ推奨
⇒交感神経↓による洞結節の興奮↓だけでなく,
心拍出量↑による循環改善から,交感神経↓(興奮の必要なくなる)の作用もあり
⇒更に,循環が改善すると不整脈が止まることもままある
※①,②に追加することで作用増強する-この使い方もある
④プロカインアミド
・副伝導路による早期興奮ある場合に適応
⇒洞結節を抑えるベラパミル,ジゴキシンなど禁忌のため
アミオダロン:心機能悪い場合,他の薬剤が効かない場合
■基礎疾患の検索・検査
・TSH,fT4
※参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/34629070.html
・CBC,電解質,腎機能
・胸部X線(心不全),心エコー(僧房弁疾患)
※トロポニンTなどMIの検索は,心電図でひっかかった場合のみで良い
…心筋梗塞の症状がAfのみであることは,極めてまれだから.
参照 UpToDate
➤心房細動, 心電図,抗不整脈薬,甲状腺機能,除細動