内分泌・糖尿病 薬剤

造影剤使用+メトホルミンで乳酸アシドーシスとなる機序

★造影CTの時は相対禁忌.

◎緊急の場合、特に急性心筋梗塞の場合はリスクベネフィットを勘案して造影剤を使いますが、何か起きることはほとんどありません。機序は生化学です。

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■ピグアナイド系降血糖薬、造影剤との関連
ビグアナイド系メトホルミン:メトグルコ,メルビン)
⇒肝臓の糖新生を阻害することで血糖↓
「ピルビン酸→グルコース」の阻害
「ピルビン酸⇔乳酸」より乳酸↑

◎ビグアナイドは腎から排泄される
ヨードは一過性に腎機能を低下させる
(だから腎不全に造影は禁忌)
⇒ビグアナイド濃度↑
⇒乳酸濃度上昇
乳酸アシドーシス


■乳酸アシドーシスを起こしやすい状態

①循環不全、低酸素血症
 ⇒嫌気性代謝↑
 ⇒乳酸産生↑
アルコール摂取多い
 ⇒NAD+消費
 ⇒「ピルビン酸→乳酸」↑
肝機能障害
 ⇒乳酸代謝↓
腎機能障害
 ⇒メトホルミン排泄遅延(上述)

※これら危険因子を持つ患者にメトホルミンを処方すること自体注意する;造影剤使用とも限らない

●但し乳酸アシドーシス発症は、リスク因子+急性危険因子が必要
⇒しかも非常にまれで、因果関係も証明されていない
⇒ただ症例報告として有名で、機序も想像しやすいので、禁忌となっているというのが現状。

 
参照 メトグルコの適正使用のために

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