★持続時間がSU薬>速効性インスリン分泌促進薬、2つの作用機序は似ている。
■SU薬
●種類
・グリメピリド(アマリール)
・グリクラジド(グリミクロン)
・グリベンクラミド(オイグルコン、ダオニール)
●機序
・スルフォニル尿素受容体:膵β細胞のATP依存性Kチャネルの一部
⇒SU薬結合すると、このチャネルが不活性化
⇒静止膜電位が変化
⇒Ca流入、インスリン分泌
+血糖上昇に対するβ細胞反応性↑
●特徴
・単剤でもいける
⇒血糖を20、HbA1cを1〜2%下げる
・作用時間は12〜24時間
…いつ服用しても良い
・インスリン↑による効果なので、高度肥満(インスリン抵抗性大)には向かない
⇒1型DMにも使えないので、正常〜やや肥満くらいに良い
・速効型インスリン分泌促進薬とは併用しない
●副作用
・低血糖:しかも遷延しやすい
・体重増加をきたしうる
■速効型インスリン分泌促進薬
●種類
・ミチグリニド(グルファスト)
・ナテグリニド(スターシス、ファスティック)
・レポグリニド(シュアポスト)
●機序
・SU薬とは違う受容体に作用する
⇒基本的には、膵β細胞のATP依存性Kチャネルに作用、インスリン分泌↑
…SU薬とほぼ同じ
●特徴
・食直前に飲み、すぐ吸収/効果発現/消失する
⇒食後高血糖に効果的
・単剤でもいける
・SU薬とは併用しない
●副作用
・低血糖
・腎障害で効果遷延する
…ナテグリニドは肝代謝だが、腎臓から排泄される代謝産物が血糖下げる
■αグルコシダーゼ阻害薬
●種類
・アカルボース(グルコバイ)
・ボグリボース(ベイスン)
・ミグリトール(セイブル)
●機序
・αグルコシダーゼ:上部消化管酵素
…多糖を単糖へ分解する酵素
⇒これを阻害する事で、糖の吸収を遅らせる
⇒食後高血糖を是正する
●特徴
・食後血糖を63、HbA1cを0.4〜0.9%下げる
…必ず食直前に服用する
・脂質異常も改善する、ともいわれる
・日本とヨーロッパでよく使われる
●副作用
・腸内ガス(おなら)、下痢が多い
・イレウスも来しうる
・アカルボースでは重篤な肝障害が報告されており、チェックが必要
参照 UpToDate、糖尿病治療ガイド2014-2015