薬剤

ジギタリス(ジゴキシン)中毒

★致死的.

■心筋の活動
①脱分極
・Na流入(電位依存性Naチャネル)
②プラトー
・Ca流入(電位依存性Caチャネル)+K流出遅延(ちょっと流出,内向き整流性Kチャネル)
③再分極
・K流出(遅延整流性Kチャネル)
⇒膜電位が下がる
⇒静止膜電位の形成(内向き整流性Kチャネル)
④戻る
・Na流出+K流入:Na/K-ATPase
・Ca流出:Na/Ca交換輸送体(これは細胞内Na↑,Ca↓の方向に働く)

■ジギタリスの作用機序
④のNa/K-ATPase阻害
⇒細胞内Na↑,K↓
⇒Na/Ca交換輸送体の活動↓
細胞内Ca↑
⇒収縮力↑
迷走神経緊張+交感神経↓(駆出率↑より)
⇒収縮頻度↓

■ジギタリス副作用
1.細胞内Ca濃度高い
脱分極後の時間↑
 ⇒期外収縮
 ⇒不整脈
心収縮しても戻らない
 ⇒心停止
2.再分極過程が短い
⇒不応期が短い
自動能亢進
不整脈
3.心外症状
・消化器症状:食欲不振、嘔吐
・神経症状:意識障害、脱力、色覚異常(錐体細胞)
⇒これら全て、Na-K ATPaseの阻害による
…Na-K ATPaseはほとんどの興奮性細胞において、膜電位の維持に必要であるため

●増悪因子
・低K血症:Na-K ATPaseが更に動かなくなる 
・低Mg血症:Na-K ATPaseはMgにも依存しているため
・高Ca血症:心筋内Ca濃度が上昇するため
・腎不全:排泄↓
・甲状腺機能低下:代謝↓

 
参照 UpToDate、日眼会誌 
更新 2014/8/24 

-薬剤