内分泌・糖尿病 血液、輸血

HbA1cの値が当てにならない場合

★糖化された古いヘモグロビンがどれくらいいるか、アッセイは正確か。

■HbA1cとは

●Hbには3種類ある
HbA(成人の97%),HbA2,HbF

・Hbは、産生されたては糖化されていない
⇒その後、血中の糖類(特定のヘキソース)から,自由に糖鎖が付加される
 ※これは非酵素的な反応で,非常にゆっくり進行する
糖鎖付加Hbの中で最も多量にあるのがHbA1c
HbA1cは,Hbの寿命(通常約120日)と血糖値に依存する
 

■HbA1cが血糖コントロールの指標として当てにならない場合

Hbの寿命↑
鉄欠乏、ビタミンB12欠乏、葉酸欠乏
…Hbの入れ替わりが遅い
Hbが長生きするようになる
 =古いHbが残る
⇒糖化されたHbが多く残る
⇒HbA1cが高くなる

②Hbの寿命↓

溶血、エリスロポエチン投与下、貧血治療中
…新しいHbがどんどん産生される
糖化されていないHbが多い
⇒HbA1cが低くなる

③慢性腎臓病

・偽性高値:尿素高値により産生されたカルバミル化Hbのため
     …電気泳動などに影響
・偽性低値:透析、EPO投与、輸血、代謝性アシドーシス
     …Hbターンオーバー亢進

※現在のアッセイ法では、異常ヘモグロビン(HbF, HbS)に影響されない

 
参照 UpToDate 

-内分泌・糖尿病, 血液、輸血