★感度は高くないが、負担を考えると腸骨1ヶ所で十分。
■骨髄穿刺/生検ができる骨
●放射性同位元素でトランスフェリンにマーキング、注射して分布をみた
⇒脊椎骨と骨盤で造血活性高い。肋骨でやや高い。他は活性なし。
⇒採取可能なのは胸骨、腸骨(、肋骨)からだけ
①後腸骨稜
…最も患者の苦痛が少ない。基本的にここでやる。
②前腸骨稜
…①が選択できない時に;うつ伏せできない、高度肥満、皮膚疾患
③胸骨、肋骨、大転子
…①②ができない時。CTガイド下や手術下の検査が望まれる
⇒今では、従来のように盲目的に胸骨穿刺をするのは禁忌
※放射線治療の既往がある箇所は選択しない;細胞がスカスカかもしれない
■骨髄採取は1ヶ所でよいのか
●骨髄はそれぞれの骨で非連続的なのに、1ヶ所の骨髄を全身の診断として信頼してよいのか
…特に悪性疾患の診断の際
●腸骨からの骨髄採取が、片側か両側かで結果が変わるか、という研究
・1864例を両側から骨髄採取した
⇒22%(410例)が悪性疾患、2.6%(48例)が片方にしか所見なし
…48例の内訳:Hodgkin(19), 肉腫(14), 固形癌(11), non-Hodgkin(4)
⇒白血病、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群はなし
●結論
・造血している場所は脊椎骨か腸骨
⇒採取可能なのは腸骨のみ
…この時点で、脊椎に限局した腫瘍細胞を見逃す可能性あり
⇒腸骨の片側採取は、両側と比較し悪性腫瘍の10%を見逃す
⇒よって、骨髄採取は骨髄腫瘍細胞を見つける感度が高い検査とは言えない
⇒患者負担とパフォーマンスを考えると、腸骨1ヶ所の採取で十分
…リスクから胸骨/肋骨/脊椎骨穿刺するという選択肢はない
参照 UpToDate