★HESは微妙,生食かアルブミナー.
■膠質液
…HES製剤,アルブミン製剤,デキストラン製剤
①ヒドロキシエチルデンプン=HES製剤
…ヘスパンダー,サリンヘス,ボルベン
●腎障害
・特に高分子量のHESで指摘された
⇒ヘスパンダー,サリンヘスは低分子量
・機序は膠質浸透圧によると考えられるが,詳細は不明
・重症患者(重症敗血症,循環血漿量減少性ショック)にみられ,それより軽い患者には見られない
●血液への影響
・第Ⅶ因子,vWFの阻害,血小板凝集抑制作用あり
⇒臨床的に問題となるケースは,大量HES投与しない限り少ない
●AMY上昇
…1週で戻る
※ボルベンは高分子量だが,腎への影響少なく,組織蓄積性も低い
⇒高用量の投与が可能
…臨床上では普通に腎への影響でる,という人も.
②アルブミン製剤
…アルブミナー
●5%→浸透圧20mmHg:100%血管内に残る
25%→浸透圧70mmHg:間質から引いて3-4倍になる
⇒細胞外液で言えば,5%アルブミナーで4倍量と等しい
※5%アルブミンと,6%HES(ヘスパンダー)の,血管内ボリューム増幅効果は等しい
⇒腎障害ないぶん,5%アルブミナー使うべき.
■生理食塩水か膠質液か
・ICUにおける輸液蘇生において,死亡率に有意差はないとする研究あり(NEJM2012)
⇒但し,HESの方が腎代替療法必要とした
★そもそも,どちらかしか使わないという前提が極端.
⇒状況に応じて使い分けるべき
・出血によるhypovolemia=すぐ血管内への補正が必要
⇒膠質液(もちろん外液も負荷する)
・脱水によるhypovolemia=間質の水も減少している
⇒等張液
・低Albなど低浸透圧によるhypovolemia=間質が浮腫
⇒高調膠質液(25%アルブミナー)を使っても良い.5%アルブミナーでも.
※但し,生食は安価で効果あるのは確実.
※膠質液を使うなら,5%アルブミナー.
参照 ICU book,呼吸器内科医
更新 2014/1/26