★はっきりと決まった基準はなく患者ベースで決めるべきだが、ハイリスクの場合ステロイド使用を考慮する。
■抜管前の確認事項
●エアウェイの確保が可能なことを確認
①意識状態よい;GCS<8, 指示動作可能
②咳が十分可能;咳嗽時のpeak expiratory flow>60ml/min
③痰の量が少ない;サクションを1時間に複数回必要としない
※絶対的な基準はない
⇒上記の内、複数問題ある場合は再挿管になる可能性がはっきり高い
●エアウェイが十分開いている事を確認
=抜管後喉頭浮腫が問題とならない事を確認
・リスク;36時間~6日以上の挿管、80歳以上、チューブが太い(男性で8.5以上、女性で7.5以上)、チューブが喉頭径の45%以上、APACHEⅡスコア>12、GCS<8、挿管時の損傷あり、女性、喘息の既往、挿管時の固定が甘い、挿管時の鎮静が甘い、誤嚥あり、経鼻挿管 など
・カフリーク テスト
⇒バルーンをデフレート、聴診器で喉頭周囲にエアの通過音が聴取されない場合
リークしている量が110ml以下、若しくはVTの12-24%以下の場合
⇒抜管後のstridor聴取を、感度15-85%、特異度72-99%で予測
カフリークあれば、基本的に抜管は問題ない
※カフリークが無くとも、無事に抜管できる場合がほとんど
…そもそも再挿管は12-14%程度の頻度
⇒カフリークが減弱している場合、少し慎重な対応を考慮する(ステロイド投与など)
●自己抜管(挿管患者の3-12%)
・再挿管のリスクは50%程度と非常に高い;特に12時間以内
+再挿管自体も難しくなる
・基本的にすぐ再挿管を考慮する
=積極的なサクションで経過観察できる患者は少ない
…状態安定し、酸素必要量が少なく、エアウェイの確保が可能でかつ十分に開いている患者
■抜管前ステロイド投与
・リスクの高い患者で、ステロイドを複数回投与すると再挿管、stridor減ったとの報告あり
・色々なプロトコルがあるが、
メチルプレドニゾロン20mgを4時間おきに4回投与して抜管
メチルプレドニゾロン40mgを抜管4時間前に1回投与
などが推奨される
※リスクの高い患者に限定して行う事
■抜管後の管理
●積極的な酸素化、エアウェイクリアランスにて再挿管を防ぐ事が重要
・十分な酸素化;ほとんどの患者は通常の酸素投与で十分。必要ならnasal high flowなど
※COPD等ベースの呼吸状態が悪い患者はNPPVを考慮する
⇒抜管後に呼吸状態が悪化してからNPPVは有害であり、再挿管の適応である事に注意
・エアウェイクリアランス;サクション、気管支拡張薬、利尿薬の使用
参照 UpToDate