腎・泌尿器

尿/血漿浸透圧の単位と比重の関係

★腎機能としては浸透圧の方が優秀、浸透圧の単位は基本的にmOsm/kg H2O。

■浸透圧の単位

・Osm:溶質分子 or イオンのmol数
⇒mOsm:溶質分子 or イオンのmmol数
mOsm/L溶液1Lあたりの溶質分子 or イオンのmmol数
 mOsm/kg H2O水1kgあたりの溶質分子 or イオンのmmol数
※病院の単位は基本的にmOsm/kg H2O

●血清浸透圧:275〜295mOsm/kg H2O
ほとんどが電解質で、尿素/ブドウ糖/タンパク質は数mOsm/kg H2O程度
尿浸透圧はほぼ変わらない


■比重と密度

・密度:質量÷体積
比重ある物質の密度と、基準となる物質の密度の比
個体と液体の基準は4℃の水、気体の基準は同温度/圧力の空気

●血液の比重:1.05〜1.06程度(Hbが高いほど高い)
⇒血清:1.024〜1.029
蛋白を除く:1.01程度
 …これが尿の比重とほぼ等しい


■尿浸透圧と尿比重の関係
●違い

・いずれも尿中に排泄される溶質の量を反映する
⇒脱水だと上昇、溢水だと低下する。尿崩症だとこの調節が狂う。
・ただし、
①浸透圧:溶質の分子数のみが重要
比重:溶質の分子数だけでなく、高分子物質も影響(造影剤や蛋白など)
⇒よって、浸透圧の方が腎機能をより反映する

●浸透圧の単位は、病院で換算の必要性は無い

・基本的に氷点降下法(凝固点降下)で測定される
式:ΔT=k(モル凝固点降下) × c(質量モル濃度[mol/kg])
     浸透圧 = c[mol/l] × R(気体定数) × T
⇒これから求めるため、単位がmOsm/kg H2Oとなる

・mOsm/Lと表記されたものもあるが、簡略化されているだけ
…「mOsm/kg H2O」が長くて記載できないから、など。定義には準じていない。

参照 日本流動食協会HP、異常値の出るメカニズム 

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