★一次孔、二次孔とも一次中隔のもの。
■房室中隔の形成
・共通心房に総幹動脈が貫入、稜ができる
⇒稜が心内膜床に向かって発達する
…これを一次中隔という
…一次中隔で覆われていない隙間を一次孔という
⇒完全に塞ぐ(=一次孔が閉鎖する)(◇)
⇒一次中隔に穴がたくさんでき、癒合する(◎)
…これを二次孔という
※右左シャントを保つため、一次孔が閉鎖する前に二次孔が発生し始める
・一次中隔の右に二次中隔が発生する
⇒二次中隔が二次孔を完全に覆う(●)
・二次中隔に卵円孔が形成される
…胎児期は右房圧>左房圧なので、卵円孔→二次孔を通って右左シャントが形成される
※一次中隔が可動である
⇒出生後、肺血管抵抗↓+左房への還流量↑より右房圧<左房圧
⇒一次中隔が二次中隔に押し付けられ、癒合する(★)
■発生の不備
①卵円孔開存(PFO)
・一次中隔と二次中隔の癒合不全(★の不全)
⇒一時的に右房圧>左房圧となると、血液が卵円孔→二次孔を通る
=右左シャント
…収縮期早期で右房圧>左房圧となる
・成人の30%程度
※心房拡大に伴うPFOもある
⇒この場合、心房間が常に交通しているため、左右シャントとなる
②房室中隔欠損(ASD)
・中隔に穴があいている
⇒拡張期に左右シャント
⑴一次孔欠損
・一次孔が発達しきらない(◇の不全)
⇒二次中隔も、欠損している穴の箇所は塞がない
⇒出生後も一次孔の箇所が塞がっていない
・ASDの15〜20%
⑵二次孔欠損
・二次中隔が発育不良で二次孔を防ぎきらない(●の障害)
・一次中隔の吸収過多(◎の障害)
⇒二次孔が大きすぎて、二次中隔で覆いきれず、一部卵円孔とかぶる
・ASDの70%
⑶冠静脈洞欠損
・二次孔欠損と機序は同じ
・ASDの1%
参照 UpToDate