★交感神経活性化が悪い。
◎循環器は冬忙しい診療科とされますが、その理由も調査されています。心理社会的要因から心筋梗塞の発症を考えるというアプローチも面白いです。
■冬の影響
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・大規模研究にて、MIの発生率が高いことが確かめられています
⇒これは、地理、年齢などとは独立な因子です。
・死亡率も高いです
⇒但し、糖尿病患者、β遮断薬かアスピリン内服患者は季節変化がありませんでした
⇒低温による交感神経活性化が原因の可能性が考えられました
(糖尿病患者は自律神経障害されているため)
・ある大規模研究で、心筋梗塞による死亡率上昇因子は以下の通りでした
⇒冬の平均気温、部屋の温度が低い、薄着、あまり活動的でないこと
⇒部屋との温度差はリスクではなかったです!
⇒交感神経刺激されやすい環境、体質が原因か と考察されます。
※急性ストレス(ライフイベントなど)、慢性ストレス、type A行動 (怒り/皮肉/敵意)、うつも冠疾患と関連あるとされます
⇒前者3つは交感神経興奮の原因であり、うつは刺激に対して自律神経調節がうまくいかないことと考えられます
⇒交感神経活性化が根底と考えられるのです。
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■交感神経亢進により心筋梗塞が誘発されることの論拠
①虚血誘発
・交感神経↑
=血圧、脈拍数上昇
⇒心筋酸素需要増加
⇒動脈硬化(基質)と合わせてプラーク破綻
②血小板凝集
・交感神経↑
⇒血小板凝集能↑
(⇒PDGFを介し心筋活動↑)
※線溶系も活性化するが、内皮機能が悪いと代償されないです。
=つまり、当たり前ですが心筋梗塞になる基質が存在するということです。
③リスクの増加
・交感神経↑
⇒酸化LDL増加、マクロファージ活性化
⇒コレステロール増加
※ストレスが動脈硬化進展の原因となります。
・急性ストレスで、一過性の血圧上昇、動脈収縮が生じます
⇒プラーク破綻の原因となります。
※プラーク破綻により、心筋障害が起きるほどの血流障害が生まれると心筋梗塞となります。
⇒小さい破綻の場合、平滑筋増殖で代償し、血管内腔が狭くなります
=動脈硬化進展
※精神的ストレスだけで壁運動異常が起きえます
…たこつぼ型心筋症
(これは虚血とは関係ないですが)
参照 UpToDate