★可能な限りの心不全内服加療、オピオイドが効果的。
◎症状が複雑。病態理解も必要。
①心不全薬物療法
●心不全治療の目的が延命でなく緩和ケアであったとしても、心不全治療の最適化は必須
・利尿薬、塩分/水分制限を用いて肺うっ血のコントロールを試みる
・β遮断薬、ACEi/ARB、アルドステロン拮抗薬は心不全症状緩和作用もあり
⇒必ずしも中止すべき薬剤ではない
…controversialな所だが、少量で続けるべき、とする専門家が多い。
・持続のカテコラミンは始めた場合、VAD埋め込みや移植をしない限り中止できない
⇒容易に開始するべきでない
②呼吸困難感に対する介入
・運動療法はNYHAⅢまでの患者に対しては有効。Ⅳについては明確なエビデンスはないが、有効である可能性あり。
・オピオイドは症状/ 運動耐応能改善に有効
⇒短時間作用型かつ肝代謝のオキシコドン、フェンタニルが推奨される
(腎機能悪化のため腎排泄型のモルヒネは避けるべき)
③疼痛に対する介入
●40-75%の患者に認められる症状。背部や関節に多く、積極的に疼痛の有無を聞いて介入すべき
…関節炎が関与している割合は多い
・NSAIDsは禁忌;腎機能低下、体液貯留、心不全増悪を来す
・局所治療が有効であるかもしれない;NSAIDs湿布、冷罨法、温罨法
・オピオイドが有効
④嘔気、食欲不振に対する介入
・体液ボリュームの最適化、PPIが有効
・嘔吐に対してはロラゼパム(ワイパックス)が推奨される
⑤循環補助の中止
・ICD:ショック中止のプログラミングを、十分なICの上すべき
⇒すぐにショック連発を中止させたい場合、備え付きの磁石を置くことで中止可能
・LVAD:家族を含めたチーム全員の合意の下、米国では作動停止することができる
(作動停止=心停止となるケースが多い)
※使うならオピオイド、という感じ。ただ、使うと、余命が少なくなる印象があります(研究で証明されているかは知りませんが)。
参照 UpToDate