整形外科・皮膚・形成

眼の下の 'くま' ができる機序

★様々な要因があるが、色素沈着や浮腫が大きな原因。

◎寝不足や疲れ、加齢で眼の下に'くま'ができます。英語で infraorbital dark circles といいます。なぜできるのでしょう。

■機序
●解剖学的特徴

・眼の下の皮膚は薄く(全身で最も薄い皮膚のひとつ)、やや透過性があります。
⇒皮下組織の血管や眼輪筋がみえやすいのです。

・まぶたの下の軟部組織は、靭帯で区切られています
浮腫の際に、眼窩縁の下に限局して、液体が貯留しやすいのです。

●黒いものは?
色素沈着です。
 =ヘモグロビンの分解産物;ヘモジデリン、ビリベルジン
・これらは、色々な原因で沈着します。
 ⇒肝斑、母斑、紫外線、ホルモン変化、炎症(アトピーやコンタクトレンズ)

●なぜ高齢になると'くま' ができる?
・加齢により、以下の変化が生じるからです。
皮下脂肪の萎縮眼輪筋の肥大、眼輪筋下の繊維脂肪組織の仮性突出、頬部のvolume loss、皮膚のエイジング(コラーゲン・エラスチン喪失によるツルゴール低下)
⇒これらが、複合的に くま を助長します。

※眼輪筋が透ける、という影響が強いと、紫色っぽくなることもあります。

●なぜ疲れると'くま' ができる?
・基本的には浮腫が原因です。
…皮膚細胞はそもそも色素を持っていますが、皮下組織によって見え方に日内変動が生じます。
 ⇒特に浮腫、真皮の肥厚により
 ⇒色素沈着した皮膚の部分から光反射する可能性が増えると考えられます。

◇文献によると、くまを無くす為に、ビタミンA、カフェインの局所塗布、様々なペプチド(glycyl-L-histidyl-L-lysine など)の根拠はあるようです。

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▶︎カシスはビタミンAだけでなくCも含む、よいサプリです、きっと。

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▶︎マッサージは浮腫軽減につながり、理論的にも くま を軽減します。


参照 J Cutan Aesthet Surg. 2016 Apr-Jun; 9(2): 65–72 

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