★良い.
◎生理的には、左心不全にCPAP用いることで左室貫壁圧↓,心拍出量↑となるからです。臨床研究でも、PEEPにより心源性肺水腫の改善が促進される事が示されています。
■PEEPの原理
・胸腔内圧を上げます
⇒SVC,IVC虚脱
⇒心臓への血液流入↓
⇒前負荷↓
※横隔膜が下がることで腹腔内圧↑,胸腔へ静脈血を押し出すため,前負荷が保たれるとの考えもあります
(ここでは省略)
・胸腔内圧=心臓の周りの圧力が高い
⇒左室拡張が妨げられます
⇒ラプラスの定理より,後負荷↓
参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/35695947.html
■PEEPによる心臓への影響
●正常心
・前負荷の低下は,心拍出量の低下とほぼ相関します
(後負荷にはあまり影響されません。心臓に余力があるため)
⇒よって,PEEP↑では前負荷↓の影響が強く出る
⇒心拍出量↓
●左心不全
・前負荷がある程度以上増えても,心拍出量は変わりません
…うまく拍出できていないため
=逆に、前負荷が低下してもあまり心拍出量は変化しません
・後負荷の低下は心拍出量の上昇とほぼ相関します
⇒よって,PEEP↑では後負荷↓の影響が強く出る
⇒心拍出量↑
※血管内volume低下時
…前負荷低下の影響が強く出ます
⇒不全心でも心拍出量が低下します!
・よって,心不全にPEEP用いるとき,適切な血管内volumeの維持が重要です.
参照 ICU book