★右室梗塞の場合ニトロが禁忌となるので,割と重要.
がっつりII III aVFが上がっていれば注意しますが、その他にもいくつかポイントがあります。
◆右室梗塞の所見
●症状
三徴:低血圧,頸静脈怒張,肺うっ血なし
※三徴が揃うのは25%
ほぼ参考にならない。
●右冠動脈梗塞の場合(STEMI)
・遠位部のみ(≒RCA#2より遠位):下壁のみ壊死
・近位部から(≒それより近位):下壁+右室の壊死
つまり、がっつり下壁誘導が上がっているSTEMIの場合は、ほぼ右室梗塞ありです。
●下壁梗塞の場合に鑑別したい
✔︎下壁梗塞は右冠動脈,回旋枝のどちらによるか??
(回旋枝の場合は右室梗塞にほぼならない)
①右冠動脈梗塞
⇒洞房結節枝の梗塞を含むことが多い(55%)
⇒この場合除脈となりやすい
②右冠動脈は右下,回旋枝は左へのベクトル
⇒ST changeがⅢ>Ⅱの場合,右冠動脈の影響が大きいと考える
※Ⅱ>Ⅲの場合は判断しづらい
●右冠動脈梗塞を疑った時,近位部か遠位部か鑑別したい
右側胸部誘導で判断する
⇒V4RのST上昇が最も感度よい
⇒88%の感度で右室梗塞
参照 ACLSリソーステキスト,ACLS-EP講習