-
どうやって心不全を診断するか
2021/6/25
★心不全とは、左室拡張末期圧上昇により症状が出現した状態。 ◎「これは心不全っぽいね」とよく聞きますが、どういう基準で診断するのか気になりました。本態はLVEDPの上昇ですが、実臨床では厳密に測らず診断しており、それで問題有りません。 どうやって心不全を診断するか 一番有名な心不全診断基準を押さえま ...
-
局所の血流制御のしくみ
2021/8/29
★血管拡張性物質が局所的に制御される。 Chemicalな話、生理学です。直接的な証明は困難なので、いくつか説があります。 局所の血流制御のしくみ そもそも、臓器によって血流量が異なります。 ・ml/min/100g(組織の重量)によると、 通常状態:腎臓(360)>副腎(300)>>脳(50)>> ...
-
狭心症や心筋梗塞で胸痛、肩痛、嘔吐が生じるメカニズム
2021/8/29
★狭心痛は生きている心筋から生じる!! 狭心症や心筋梗塞、一番典型的な症状は「胸痛」「胸部圧迫感」ですが、肩の痛みで発症する事もあるのは有名です。 また、嘔気・嘔吐もよく生じます。 これらのメカニズムを生理学的に説明してみました。 簡単に言うと「誘発虚血」です。心筋が死んでいると胸痛は生じません。 ...
-
FFRって何?
2021/8/30
★冠動脈病変前後の圧力の比であり、その冠動脈病変の重症度を表し、治療適応決定の判断材料となる。◎循環器は専門的な話が多いかと思います。 FFR (fractional flow researve)は循環器内科医の中では基本的な話ですが、大学の授業ではそこまで触れられることは少ないかと思います。 FF ...
-
Syndrome Xの病態と臨床像、治療
2021/8/31
★微小循環障害が原因だと考えられている、割と予後良好な安定狭心症 ◎胸痛があり、検査で虚血の所見があるのに、有意な冠動脈狭窄が認められない症候群のことを言います。微小血管障害です。 ■Syndrome Xの定義 ●労作性の狭心痛があり、負荷心電図でST低下を認めるが、CAG上有意狭窄がなく、かつ攣縮 ...
-
NSTEMIと不安定狭心症の違い
2021/9/1
★ST上昇していない急性冠症候群のうち、トロポニン上昇の有無で分けられる。◎高感度トロポニンが導入され、実はあまりこの違いは重要でなくなりました。実際はっきりわけずに使われています。 ただ、その背景を理解しておく事は必須です。 ■NSTEMIと不安定狭心症の定義の違い ●不安定狭心症 (UA)・AC ...
-
循環器略語、まぎらわしいもの解説
2021/9/2
★マジで多くて紛らわしい。 ◎分類ごとのアルファベット順にしました。略語が多すぎることが循環器内科の壁になっていると思います。 もしわからない略語がさらにあったら教えてください。 なお、病院によっては結構ローカルルールがあるので注意(必ずしも一般化できないということ) 循環器略語、まぎらわしいもの解 ...
-
サイアザイド系利尿薬⇒高カルシウム血症【機序】
2021/9/4
★2つの説があり,実際に寄与する程度は不明.◎教科書的には有名ですが(国試にでますが)、実臨床ではあまり実感しません。 臨床ではナトリウム利尿により低ナトリウムとなること、BUNやCreが上昇しやすいことが大事です。 なお、プライマリケアで降圧薬としてサイアザイドは高塩分摂取患者に特に効果があります ...
-
ARBでなくACE阻害薬で咳が生じる訳【作用機序・副作用まとめ】
2021/9/3
★キニン類が蓄積するため。 基本的な事ですが、意外に知られていないのでまとめました。 作用機序が異なり、ACE阻害薬ではブラジキニンが蓄積→気管支刺激される、からです。 ■ACE阻害薬とARBの作用機序の違い ①ACE阻害薬 主に二つの経路があります。 ・「Ang(アンジオテンシン)Ⅰ ⇒ AngⅡ ...
-
ハンプの利尿作用は、なぜ生理的と言えるか
2021/9/5
★詳細は不明だが、利尿作用↑にGFR↑が必要だと考えられている。ANPに関しては新薬開発が進んでいます。 ハンプはANPそのもので、利尿作用が「生理的だ」とよく言われます。 これはなぜなのか。解説します。 ■ハンプ(ANP)の作用 ①血管拡張 これにより血圧が下がる。 ②Na利尿作用 ●基本的にNa ...