★機能性卵巣高アンドロゲン症,インスリン抵抗性が主病因と考えられる.
※これらは内因性で,共通の遺伝的・環境的要素があるかもしれない
■主病態
●原発性の機能性卵巣高アンドロゲン症が,PCOSの原因とされる
⇒卵巣嚢胞の発育↑,成熟↓
莢膜細胞・顆粒細胞の早期黄体化
皮質・間質の過形成
⇒多嚢胞性卵巣,無月経
●半数がインスリン抵抗性+高インスリン血症
⇒莢膜細胞のIGF-1を介したpassway↑
⇒LHに対するdwon-regulationがブロックされる
⇒LH反応↑
⇒アンドロゲン産生↑
・アンドロゲン過剰
⇒プロゲステロンによる視床下部へのフィードバックを阻害
…プロゲステロンは,LHパルスの頻度を下げる作用あり
※PCOSの患者は,正常と比べ,このフィードバックが阻害されやすい
⇒LH放出の頻度↑
⇒LH↑
・肥満
⇒①正常より代謝が早いアイソフォームのLHを下垂体から放出
⇒LHパルスの量が多い
②インスリン抵抗性↑
③脂肪細胞↑
⇒アンドロゲン,エストロゲン産生↑
※但しただの肥満者にも見られるので,PCOSへの影響は少ないかも.
●LH↑
…通常は,「LH↑→莢膜細胞の感受性↓→性ステロイド産生に制限がかかる」
=LHレセプターが減少する
⇒PCOSではLHレセプター減少が起きない
⇒LH反応↑
…LHは性ステロイド産生酵素の発現,性ステロイド分泌に必要
⇒アンドロゲン,エストロゲン↑
※PCOSの半数はLH上昇がない
⇒LHの上昇だけでなく,LH反応性↑が重要.
参照 UpToDate