放射線・検査 血液、輸血

赤沈とCRPの違い

★SLEは赤沈のみ亢進。

◎見落としがちな、大事なことです。

■赤沈 (ESR)
●赤血球の凝集により亢進します!

炎症⇒グロブリンやフィブリノゲンなどの陽性蛋白が産生れます
   ⇒赤血球は陰性です
   ⇒それらが凝集して、
   ⇒赤沈↑

貧血⇒赤血球同士の反発が低下します(少ないから)
    ⇒赤沈↑

■C Reactive Protein
●主に肝で合成される急性期蛋白です。
…炎症性サイトカインの刺激により、肝細胞で産生されます。
 (IL-6, IL-1beta, TNF-alpha, IFN-gamma)

※急性期蛋白とは、炎症の急性期に血中に増加する蛋白の総称です。
CRPはSerum Amiloid Aとともに最も鋭敏に反応するもので、12時間以内に血中濃度が上昇します。

■使い分け
臨床でdiscordanceが有用な状況は、SLEのみといっても過言ではないと思っています。
すなわち、SLEは 赤沈亢進+CRP陰性です。

SLEは重症化すると胸腹水が多量となり、血管内脱水が著明となります。集中管理をしても、ステロイド投与しなくては救命困難ともなりえます。

敗血症のような様相ですが、そんな時にもCRPは陰性であることを経験します。

⬇︎CRPと赤沈の関係を表にまとめました

CRP陽性

CRP陰性

赤沈亢進

その他

炎症回復期,貧血,ネフローゼ,
高γグロブリン,妊娠,ウイルス・真菌感染, SLE, RAの一部

赤沈遅延

炎症初期,炎症+多血症,炎症+フィブリノゲン↓

無フィブリノゲン,無γグロブリン,多血症

 

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