放射線・検査 血液、輸血

輸血前のオモテ試験とウラ試験の不一致【解説】:不規則抗体など

★様々な要因があり,特に異型輸血後ではそうなる.

輸血の際のABO検査には、オモテ試験とウラ試験があります。

これらは単純な抗原-抗体反応ですが、それらの結果が一致しない場合の解釈が重要です。

不規則抗体にも関連します。

これらの知見は「不適合輸血」を回避するために必要です。不適合輸血は致死的となり得ます。

■オモテ試験

検査する人の血球(=抗原)と,抗A抗体/ 抗B抗体を反応させる試験。

✅AAかAOかABなら抗A抗体に反応します。

✅BBかBOかABなら抗B抗体に反応します。

これに限らない場合は以下の通り:

●血球の中に抗原がないのに(+)
①自己抗体により感作されている
②汎血球凝集反応
③異型輸血後
 ⇒もともとの血球と輸血した血球の両方の型をもつ

●血球の中に抗原がないのに(-)
①白血病,他の癌
 ⇒抗原が弱くなる
②血球の膜異常

■ウラ試験

検査する人の血清(=抗体を含む)と,A抗原/ B抗原を反応させる試験。

✅AAかAOかABなら抗A抗原に反応します。

✅BBかBOかABなら抗B抗原に反応します。

これに限らない場合は以下の通り:

●血清の中に抗体がないのに(+):
不規則抗体(抗E抗体など)
・抗A,抗B抗体は「規則抗体(自然抗体)」と呼ばれる
 ⇒A,B抗原以外の赤血球抗原に対する抗体を「不規則抗体」という
②新生児
 ⇒母親由来の抗体が残存

●血清の中に抗体がないのに(-):
①高齢者
②低,無ガンマグロブリン血症

■不適合輸血

表試験、裏試験、不規則抗体の検査は「不適合輸血」を回避するためにあります。

ABO不適合は重篤
・A,B抗原は100万個の分子が関与している
⇒不適合すると
血管内で抗原抗体反応,補体活性化
血管内溶血を起こす
(全身で溶血するため重篤)

不規則抗体による不適合の場合
・赤血球に同種抗体,補体が結合
脾臓,肝臓の網内系へ
⇒蛋白を特異的に認識するFc,補体レセプターをもつ貪食細胞により破壊
 =血管外溶血

※ただし不規則抗体である抗JKa抗体は補体結合性のため,血管内溶血となる

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