★スリガラスと浸潤影は濃度上昇についての客観的な話、他は形態の違いについての主観的な話。
■CT濃度上昇
・基本的には感染か炎症による
①スリガラス陰影(ground-glass opacity)
・血管陰影が透けて見え、気管支透亮像(air bronchogram)を伴わないもの
⇒CTの解像度以下の肺実質の変化を表す
②浸潤影(consolidation)
・血管の閉塞を来たし、気管支透亮像を伴うもの
⇒肺胞内が、気体から液体(浸出液など)や個体(細胞など)に置き換わった状態を表す
※エア・ブロンコグラム
・水浸しの肺胞内(白)の中に、気管支が透亮像(黒)として見える状態
■異常な形態
①網状影
・間質の異常が原因
…粗い:小葉間中隔の肥厚、中間:ハニカム(蜂巣肺)、細かい:肺胞中隔の肥厚
②結節影
●胸膜かフィッシャーに接している
⇒塊となる:傍リンパ結節 …サルコイドーシス、癌性リンパ管症、珪肺
塊とならない:血行性結節 …深在性真菌症、結核、血行性転移、敗血症性塞栓
●接していない
⇒tree-in-bud patternあり:気管支炎、過敏性肺炎、ランゲルハンス組織球症
tree-in-bud patternなし:気管支炎、誤嚥
※tree-in-bud pattern(木の芽)
・細気管支が顕在化し、その周囲でたくさん粒がみられる
⇒肉芽を表す
③モザイク
・肺実質濃度の血流の違いによる変化
⇒血管病変や、気道病変→低酸素→血管収縮を表す
④嚢胞
・よく描出される壁で隔離された低吸収域
他、空洞、線状影、索状影、粒状影など。
※用語の使い分け
・明らかな形態的特徴があればそれを優先していう
…結節影は濃度的には浸潤影だが、結節影という
・でも形態的特徴はかなり主観的。
参照 UpToDate、呼吸器内科医