★IVUSでよく確認される。
■合併症発生率
・1998-2000年のデータ;MI 0.4%, 緊急CABG 1.9%, 死亡 1.4%
⇒今はほとんど見られなくなった
■冠動脈解離、閉塞
・PTCA後、50%程度に認められたとの報告
⇒軽い解離なら、早くて6週間で完全に治る(Type A or B)
⇒大きい解離だと、急性冠動脈閉塞を来しうる(Type C-F)
⇒そのため、ほぼ必ずステントが使われるようになった
●分類
Type A:管腔の陰影
Type B:線形の解離
Type C:管腔外の造影あり
Type D:らせん形の解離
Type E:flow低下を伴う解離
Type F:完全閉塞を伴う解離
■壁内血栓
・中膜に血液が溜まり、内膜と外膜を押している状態
・IVUSで6.7%に認められたとの報告
・PCI後のACS頻度は変わらないが、1ヶ月以内のPCI再施行率は高くなる
■穿孔
・0.2-0.6%に認められたとの報告
●分類
ClassⅠ:壁内の孔、extravasationなし
⇒MI 0%, タンポナーデ 8%, 死亡率 0%
ClassⅡ:心膜、心筋が染まる
⇒MI 14%, タンポナーデ 13%, 死亡率 0%
ClassⅢ:1mm以上の穿孔で、噴いているのが分かる
⇒MI 50%, タンポナーデ 63%, 死亡率 19%
●対応
・まずPCI用のバルーンで15分間閉塞させる
⇒だめな場合、カバードステントを考慮する
・遠位が穿孔している場合、コイル塞栓も考慮する
・心嚢水著明な場合、心嚢穿刺
⇒それから凝固をリバースする
⇒心嚢穿刺をしてもバイタル変動する場合、緊急CABGの適応
■病変より遠位の冠動脈閉塞
・非常によくある
・造影でslow flowとして確認される
・別記事参照
■側枝閉塞、ジェイル
・側枝の分岐部をステントで塞いでしまう事;stent jail
⇒ワイヤーを残しておき、jail部位をバルーン拡張することもある
⇒しかし、jailのままで普通問題ない
・また、jail後、高圧でバルーンをかけた際に閉塞しうる
⇒しかし皆気をつけるので、あまり問題になる事はない
参照 UpToDate