★乱流が起き,熱エネルギーとして喪失されるため.
◎よく考えると少し複雑です。流体力学です。
●「左室➤弁➤大動脈」
としたとき,大動脈弁狭窄症(AS)では弁の所が狭いです。
⇒基本的にはエネルギー保存則が成り立つはずです。
※流体ではベルヌーイの定理という
●実際は,狭い所を通過したとき乱流が起きます
※Reynolds係数(密度×流速×直径÷粘度)が一定の値を越えたとき,突然乱流になるとされます
※狭窄後拡張が大きければ,より助長されます
⇒熱エネルギーへと失われます
⇒つまり、大動脈の時点ではエネルギー量が減っているのです。
●さて、圧には動圧と静圧があります。
⇒その合計は,ベルヌーイの定理が成り立てば一定です。
ex. 流れが早い(動圧高い)時,静圧は低いです
⇒カテーテルで測定するのは静圧です
+カテーテルを弁直上に留置するのは不可能で,測定するのは弁から数mmの大動脈圧です
⇒弁通過中,静圧は低いですが,
弁通過後,流速が遅くなるので、静圧が上昇します(圧回復現象)
⇒完全に回復すれば圧較差(PG:pressure gradient)はないはずですが,
エネルギー量が減っているため,圧較差が生まれるのです。
※エコーで測定するのは弁直上の静圧です
⇒つまり、圧回復現象を加味していない圧較差です
⇒カテーテルより高く測定されます。
参照 SHDインターベンションハンドブック