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右脚ブロックではST変化を評価できないか -ブルガダとの関連は?

★右脚ブロックに特徴的なST変化があり、それ以上のずれでST変化を判断する。

■右脚
・右脚の中身
 …結合組織に覆われたプルキンエ細胞(伝導速度が速い)
・右脚の血流:LADの中隔枝から。RCAやLCxからのコラテがあることも。
・右脚の走行
 ①上1/3:室間中隔の右側、内膜寄り
 ②中1/3:中隔の心筋内
 ③下1/3:中隔の内膜寄り
 ⇒ほとんど枝分かれせずのびる
 ⇒右後乳頭筋あたりで枝分かれ
※ほとんどは近位で右脚ブロックが生じるが、心臓手術後など中~遠位で切れることもある

■右脚ブロック(RBBB)の原因
・たいていは機能性(特に原因無し、人口の1%程度に認める)
・心臓の構造異常:右室肥大、肺塞栓、虚血、心筋炎
・医原性:右心カテーテル、PTSMA


■RBBBとST変化
・脚ブロックの場合、QRSと逆向きのST変化が生じる
QRSと同じ向きのST変化の場合、QRSと逆向きだが変化が大きい場合(5mm以上)、有意ととらえる
Q波、R波の異常は、通常心電図と同じく診断できる
⇒右脚ブロックでは、最初の0.04秒間に伝導障害認めないため
 …右室肥大では後壁・下壁誘導にq波が認められ、MIと心電図が似てしまう場合あり

■Brugada症候群
・RBBBは予後の良い疾患として知られていた
⇒しかしRBBBにST変化がある例の一部は、突然死のリスクがあることが証明された
⇒Brugada症候群
 ※右脚ブロックと区別が難しい場合がある、ということ。
・ST上昇のパターンがCovedとSaddlebackとある
⇒CovedがVFを誘発するため、ICD埋め込みを
⇒Saddlebackの場合、危険因子があったりCovedへの変化が認められればICD埋め込みを

参照 UpToDate、週刊医学会新聞

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