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高血圧診療;定義、数値の意味、降圧目標

★基本的には130/80未満が良いが、予後が有意に変わるのは糖尿病患者だけなので、基本的に140/90未満を目指す。

■定義
正常130/85以下
・正常高値血圧:130/85〜139/89
・Ⅰ度高血圧:140/90〜159/99
・Ⅱ度高血圧:160/100〜179/109
・Ⅲ度高血圧:180/110以上


■数値の意味

①収縮期圧が高い
・加齢により血管壁弾性が低下するため、収縮期血圧が上昇する
⇒特に脳卒中、瘤破裂のリスク;かかる圧力の絶対値が重要なため

②拡張期圧が高い
・原発性アルドステロン症など、一部の疾患を疑う手がかりとなる

③どれくらいの数値が良いか
血圧は高ければ高いほど心血管リスクが増える
 +正常高値血圧でも、将来腎不全発症のリスクとなる
115/75までは血圧が低いほどリスクが減る
・但しエビデンスや医療経済を鑑み、下記の降圧目標が設定されている


■降圧目標
①安定している患者

基本的に140/90未満で、低い方が良い
糖尿病患者は130//80未満
⇒後期高齢者で忍容性がなければ150/90未満
上記は診察室血圧。家庭血圧は、収縮期拡張期とも5ずつ低い値

②脳血管疾患合併あり

・降圧で脳還流量低下する
=脳梗塞のリスク
時期により、降圧目標が違う
●脳梗塞

発症24時間以内

tPA施行する

180/105未満

tPA施行しない

220/120以上の場合、前値の85-90%程度に(★)

2週間以内

(★)

3-4週

(★)

sBPが180-220でも、脳主幹動脈に有意狭窄(-)なら、前値の85-90%に

●脳出血

発症〜4週

sBP>180 or meanBP>130の場合、前値の80%に

sBPが150-180の場合、sBP140程度に

慢性期(4週以降)は基本通り140/90未満、それ以上の降圧は慎重に


③冠動脈疾患あり

・冠動脈血流は拡張期に流れる
⇒拡張期血圧を保つ方が良い、という意見もあった
⇒エビデンス不十分のため、目標は基本通り。それ以上の降圧は慎重に

※基本的なスタンスは、正常血圧(130/80未満)まで下げた方が良い
⇒厳格にやっても結果がついてこなかった
⇒今は、糖尿病患者のみ正常血圧が目標
+他の患者も下げて良いが、②と③(虚血のリスクあり)の場合慎重にする

参照 高血圧ガイドライン2014、日内誌

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