内分泌・糖尿病

TGとLDLの生理的な違い ★コレステロールの代謝と関連疾患まとめ

★TGは,LDLなどのリポ蛋白の構成成分.

◎マーカーとして知らない人はいませんが、生理的な役割について知っている人は少ないです。

イラストレイテッド生化学 原書6版 (リッピンコットシリーズ)


ここまで突き詰めて勉強できるのは、若い時だけです。

■用語 
トリグリセリド(TG)=トリアシルグリセロール(TAG)
リポ蛋白:キロミクロン,VLDL,LDL,HDL
      ⇒脂質の輸送に関与します。


■コレステロールの流れ

※TGとは関係ありません。
1) 食事コレステロール⇒キロミクロンレムナント⇒肝臓で貯蔵
2) 肝細胞以外で合成されたコレステロール⇒HDL⇒肝臓で貯蔵
3) 肝細胞で合成されたコレステロール⇒肝臓で貯蔵
4) 肝臓⇒VLDLの分泌,胆汁中へ排泄(遊離コレステロール),胆汁酸への変換
 (コレステロールの使い道)

■食事からの脂質吸収
キロミクロン:腸管粘液細胞で構成(食事からのTG,コレステロールを内部に含みます
⇒血中へ移行します
 ※この時は機能的に未熟なので未熟キロミクロンといいます
⇒未熟キロミクロンに,HDL由来のApoE, ApoCが結合
 ※成熟キロミクロンとなります
⇒末梢組織において,ApoC認識によりリポタンパク質リパーゼが活性化
TGを加水分解:脂肪酸(筋肉でエネルギーとして消費,脂肪では貯蔵)、グリセロール(肝臓へ)
⇒TG分解に伴い小さくなる+ApoCがHDLへ戻される
 ※この残りカスキロミクロンレムナントといいます
ApoEが受容体により認識され,肝細胞にエンドサイトーシスされます
⇒リソソームが結合し分解:アミノ酸,遊離コレステロール,脂肪酸となります。

■VLDLの代謝
・肝臓からVLDLが産生されます:TGを末梢へ運搬する機能
 ※この時点では未熟VLDL
HDL由来のApoE,ApoCが結合します
⇒上と同様に,リポタンパク質リパーゼが活性化
残りカスIDL
 ⇒ApoE受容体により感知,細胞内にエンドサイトーシスされます
ApoEとApoCが戻されてLDL
 ⇒LDL受容体が認識,エンドサイトーシスされます
※IDLとLDLは,TG消費のためコレステロールが濃いです
 ⇒組織へのコレステロール供給の役割をもつのです。

■疾患
・Ⅰ型高脂血症:リポタンパク質リパーゼもしくはApoC欠損
       ⇒血中キロミクロン高値,この結果血中TG高値 (コレステロールは正常)
・Ⅱ型高脂血症:機能的LDL受容体の欠損
       ⇒血中LDL高値,この結果血中コレステロール高値
・Ⅲ型高脂血症:ApoE2という,ApoEの中で,受容体への結合性の悪いものをホモにもちます
       ⇒血中LDL,キロミクロンレムナント高値
 

参照 リッピンコット生化学 

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