腎・泌尿器 電解質異常

【透析の原理】透析で低K血症となる理由;透析液の成分から解説

★「効きすぎ」による.

透析の原理は拡散と限外濾過です。これらをしっかり理解しましょう。

■透析のシステム

①拡散=浸透圧差

・ダイアライザーの中で血液と透析液が,半透膜を通じて接する
半透膜にある小さな無数の孔を通して,物質のやり取りをする
孔通る:尿毒素(尿素,Cre,尿酸)、電解質、細菌毒素
 孔通らない:赤血球,白血球、蛋白質、細菌,ウイルス

②限外濾過=機械的圧力

透析液に陰圧をかける
⇒水を血液から透析液へ引く
浸透圧差でも原理的には水を引けるが,浸透圧を変えると溶血してしまう
⇒血液・透析液は同浸透圧で,②により水を引く

■透析液成分により電解質変化が生じる

●K
・高K血症是正するため,透析液のK低い
2mEq/l:低K起こさないため少しある.しかしこれでも低K起こしうる
※低K予防のため,透析中はアルダクトン止めとする

●Na
・水と一緒に移動する
⇒この要素をなくしたい
⇒血液と同濃度;140mEq/l

●Ca
・補給したい
血中イオン化Ca濃度より高く設定
3mEq/l
※血中Caの約半分はAlbと結合している

●HCO3
・アシドーシス是正したい
25~30mEq/l

●BUN,Cre,P,UA
・取り除きたい
⇒透析液には入っていない

●Glu
・糖新生予防したい
⇒100mg/dl

-腎・泌尿器, 電解質異常