★心停止=pulseless VT or VF
心室性不整脈の基本かつ重要なまとめです。
大事な心室頻拍3つ
◎VT(心室頻拍)
3回以上連発する,心室起源の頻拍(>100bpm)
・単形性VT:QRSがだいたい同じ
・多形性VT:QRS違い,RR間隔も異なる
◎VF(心室細動)
正常なQRSなく,P波も見られない
ほぼ絶対意識消失する
◎Torsade de pointes
・QT延長による
・定義が2通りある
・Torsade de pointesを多形性VTとするもの
・QT延長の有無で多形性VTとTorsade de pointesを分けるもの
・サインカーブ状の振幅変化のある,VF様波形
鑑別
★VTとVFの鑑別
Wide QRSの心室頻拍の場合
✔︎意識消失あり: VF or 無脈性VT(規則的)
✔︎意識消失なし: VT or 脚ブロック+上室性頻拍(心房起源)
p波あれば上室性頻拍なので全然ことなります
★VFとTorsade de pointesの鑑別
Torsade de pointesの古典的な波形がはっきりすることは少ない
①Torsade de pointesは,多形性VTのうち間欠期にQT延長を伴うもの
⇒発症直前,若しくは止まった直後の波形
②Torsade de pointesは非持続性のVTなので,30秒以内に大抵止まる(sinusに戻る)
ただしVFに移行することもあり注意
治療の観点(ACLSに準拠)
・VF,無脈性VT
⇒心停止アルゴリズムに準拠する
・脈のあるVT
⇒脈拍のある頻拍アルゴリズムに準拠する
⇒バイタルが不安定な場合;電気ショック
※リズムが規則的な場合:同期電気ショック100J,不規則:同期電気ショック200J(wide), 除細動(narrow)
⇒状態安定な患者;迷走神経刺激(regularの時)
irregular=AFだが,AFは房室結節を介したリエントリーを持たないため薬物療法
※治療が異なってくるポイント
心停止がTorsade de pointesによると疑われる場合⇒硫酸Mg投与推奨
Torsade de pointesによる安定した頻拍の場合⇒硫酸Mg,リドカイン使用できる
Torsade de pointesの場合,QT延長に対する精査が必要
⇒一次救命(心停止)の段階では,鑑別は重要でない;アドレナリン,アミオダロンしか使わない
⇒洞調律に戻った後,QT延長の原因検索をするかがポイント.