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骨粗鬆症の診断と検査

★骨密度の低下で診断する。

■診断基準
①日本
続発性を除外した上で、
・脆弱性骨折なし→骨密度がYAMの70%未満
・脆弱性骨折あり→骨密度がYAMの80%未満
脆弱性骨折:軽微な外力による骨折
 YAM:若年成人平均値

②WHO
・骨密度が、成人女性平均の2.5SD以下(Tスコアが-2.5SD以下)

●続発性骨粗鬆症(鑑別診断)

・多発性骨髄腫、Cushing症候群、ステロイド内服中、糖尿病、原発性副甲状腺機能亢進症、原発性甲状腺機能亢進症、ビタミンD欠乏症、骨軟化症、骨Paget病、低栄養、慢性炎症、重篤な肝疾患


■骨量定量法
①DXA; dual-energy X-ray absorptiometry

2種類のエネルギーのX線を照射、骨成分を他の組織と区別し骨密度を定量する
対象(骨粗鬆症の診断候補)
・65歳以上の女性、70歳以上の男性
・危険因子をもつ、閉経後女性、50歳以上男性
 …アルコール摂取(エタノール24g/day以上)、現在の喫煙、大腿骨近位部骨折の家族歴
・骨粗鬆症の原因となる疾患に罹患、薬物投与されている者
●部位
腰椎(L2-L4の平均):日本での標準
・大腿骨近位部(total hipか頸部で低い方):世界での標準
⇒これらの測定が困難な場合、橈骨や第2中手骨で撮影
●評価
・腰椎:1SD以下で同部位骨折リスク2.3倍
・大腿骨:1D以下で同部位骨折リスク2.6倍、あらゆる部位での骨折リスク1.6倍

②MD; microdensitometry

第2中手骨のX線画像の濃淡、皮質骨の幅から骨密度を評価する
⇒末梢の皮質骨を中心とした骨密度がわかる
・日本発なので、日本でよく用いられる方法
・1SD低下より、全身の骨折が1.6倍になる
 ⇒但しエビデンスレベルは低い+反映されるのが遅くモニタリング困難

参照 UpToDate、骨粗鬆症ガイドライン 

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