★血糖降下作用も副作用もマイルド、長期的な効果はまだ不明なので、基本的に単剤では用いず多剤に併用するもの。
■種類と売り
リナグリプチン(トラゼンタ);代謝を何も考えなくて良い
テネリグリプチン(テネリア)
サキサグリプチン(オングリザ)
アログリプチン(ネシーナ)
シタグリプチン(ジャヌビア、グラクティブ)
ビルダグリプチン(エクア)
アナグリプチン(スイニー);安い
●それぞれの違い
|
用量 |
投与法;注意、禁忌 |
トラゼンタ |
5mg 分1 |
なし |
テネリア |
20-40mg |
重度肝不全/心不全/ope後/QT延長で慎重投与 |
オングリザ |
2.5-5mg |
重度腎障害で1/2用量、ope後、cP450阻害で慎重投与 |
ネシーナ |
25mg |
重度腎障害で1/4、腎障害で1/2用量、心不全で慎重投与 |
ジャヌビア/ |
50-100mg |
重度腎障害で禁忌、腎障害で1/2用量、 |
エクア |
100mg |
重度肝障害で禁忌、腎・肝障害/心不全/ope後で慎重投与 |
スイニー |
200-400mg |
重度腎障害で1/2用量 |
⇒種類間で作用の差はないので、投与法で使い分ける
※肝排泄はトラゼンタとテネリア、トラゼンタは代謝をほぼ受けずに排泄されるため、慎重投与がないという。
■機序
・GLP-1;栄養に反応し小腸から分泌される
…膵島からのグルコース依存性インスリン分泌を促進する
胃からの排泄を遅延させる
食後の不適切なグルカゴン分泌を阻害
食事量↓
・GLP-1はDPP-4により不活性化される
…DPP-4はほとんどの細胞表面で発現されている酵素
⇒DPP-4阻害薬はGLP-1活性化を介して血糖降下
■効果
●血糖降下
・HbA1cを0.7-0.8%程度下げる;DPP-4阻害薬の種類、用量で差は無い
●心血管系への影響
・心血管疾患予防効果があるか、現時点では不明
・一部の薬剤に心不全入院率が上がる、というデータもあるが、真偽は不明
⇒心不全で慎重投与となっている
■副作用
・よくあるもの;頭痛、鼻咽頭炎、上気道炎
・関連する可能性あり;免疫機能低下、膵炎
⇒データは不十分
・肝酵素上昇、皮疹を起こす可能性あり
参照 各社HP、UpToDate