★プリン体摂取はそれほど重要でない!
◎ビールが有名ですが、なぜ尿酸があがるかを理解している人は少ないです。
■ビール
・最も大きな影響をもつ機序
⇒「エタノール→アセトアルデヒド→アセテート→乳酸」
⇒乳酸は尿酸排泄抑制
※細胞内乳酸↑
⇒乳酸排泄したい
⇒URAT1(urate/organic anion exchanger: 尿酸/有機酸交換輸送体)の活性↑
⇒尿酸の再吸収↑
⇒尿酸↑
・しかし、プリン体含有量はビール3本で100mg程度
⇒1日のプリン体産生量は700mg程度で,400mg以上摂取しなければ良いとされます
⇒ビールに含まれるプリン体の量はそれほど気にしなくて良いのです
■利尿薬
①直接作用
・サイアザイド
⇒血管から近位尿細管の細胞に入る(OAT1:有機酸輸送体を介す)
⇒尿管腔へ排泄される(OAT4:尿酸/有機酸交換輸送体を介す)
⇒交換されて尿酸吸収↑
⇒尿酸↑
※サイアザイドは尿管腔側のNa/Hチャネルの発現↑
⇒Na吸収,H排泄
⇒OAT4はpH依存性
⇒OAT4活性↑
②間接作用
・利尿薬,Na制限
⇒血管内脱水
⇒尿酸再吸収↑
⇒尿酸↑
※このメカニズムは詳細不明です
・仮説1:近位尿細管Na/Hチャネル↑⇒尿酸/H交換↑
・仮説2:Na再吸収により尿酸/H交換↑,尿酸/有機酸交換↑
参照 UpToDate,日本内科学会100周年記念講演