★CKD Stage 4では推奨、透析になると推奨されない。
■機序
●CKD⇒塞栓リスク↑
・透析:血管内血液量が数時間で急に減る
⇒粘稠度が増す可能性あり
・内皮障害、動脈硬化↑
・RAAS系↑
・proteinC代謝、Glycoprotein Ⅰb発現、PAI-1発現などの変化
⇒正常なhemostasisが維持されず、塞栓症リスク↑
※塞栓症リスクは、腎機能が悪ければ悪いほど上昇する
+腎機能障害は、塞栓症の独立した因子(CHADS2には入ってないが)
●CKD⇒出血リスク↑
・尿毒症物質蓄積、血小板アラキドン酸代謝の異常、vWFの異常、細胞内ADP・セロトニン減少
⇒血小板機能異常
■対応
●CKD Stage3 (eGFR: 30-59)
・CHADS2 0点でも抗凝固薬の使用を検討する
・NOACはwarfarinに対して非劣等
●CKD Stage4 (eGFR 15-29)
・抗凝固薬の使用が推奨される
・ワーファリンが良い;NOACのエビデンスが乏しい
※ワーファリンは肝代謝
⇒但し、以下の場合は内服を推奨しない
…転落リスク高い、大出血の既往、コントロール不良の高血圧、コンプライアンス悪い
●CKD Stage5 (eGFR<15)
・データは少ないが、Stage 4と同様の対応でよい
●維持透析
・抗凝固はcontroversialだが、脳梗塞のリスクを減らさないとの大規模研究あり
+透析の度穿刺するし、上記より出血のリスク高い
⇒抗凝固を選択しない理由は十分
⇒但し、以下の血栓ハイリスクの場合、ワーファリンによる抗凝固を検討する
…心房内血栓、機械弁、TIAや脳梗塞の既往
参照 UpToDate
用語 心房細動(Af)